恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第五章 心の曇りをとるための反省
自分を赦すことの難しさ
先の続き・・・
むっくり起き上がって、
再び座って反省にとりかかりました。
そして、己と向き合いました。
何時間かが過ぎていきましたが、
どうすることもできません。
後になってわかったことですが、
私たちはこの世に生まれた後に、
環境、教育、思想、習慣、
時代の条件の中で、それぞれの人格をつくり、
人生をつくっていきます。
「人に寛大、己に厳しく」これも
私の受けた教育でした。
その結果、自分の思想をつくっていたのです。
その自分のつくった思想によって、
自分自身をがんじがらめに縛りつけておりました。
「人に寛大、己に厳しく」は人間の理想であり、
道徳的観念であって、
法とは別のものだと思いました。
法においては、ある意味において、
己にも寛大でなければなりません。
でなければ、悟ることもできません。