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その場考学研究所:ボーイング777のエンジンの国際開発のチーフエンジニアの眼をとおして技術のあり方の疑問を解きます

メタエンジニアの眼シリーズ(112) 「真実を告げる書」

2019年03月05日 14時24分22秒 | メタエンジニアの眼
メタエンジニアの眼シリーズ(112)TITLE:  「真実を告げる書」 
              
書籍名;「真実を告げる書」 [1998] 
著者;ラエル 発行所;無限社
発行日;1998.3.1
引用先;文化の文明化のプロセス Converging、




このシリーズは文化の文明化プロセスを考える際に参考にした著作の紹介です。『 』内は引用部分です。

この書の副題は、「異星人からのメッセージ」とあり、人類史の始まりの書として独特の位置を占めている。偶然目についた「神々の遺伝子」に続いて、シュメール文明の書、シッチンの「謎の第12惑星」と、読み進んだのだが、どうもおおもとはこの著書のように思われる。表紙の帯には、次のような言葉が並んでいる。

『全世界200万部突破、遺伝子に秘められた科学的生命創造の真実。1973年12月、ラエルは異星人エロムと遭遇。そして、彼等から地球人類の過去と未来に関する重要なメッセージを受け取った。』
 
この言葉に、すべてが凝縮されている。内容は、「神々の遺伝子」のような理詰めではなく、異星人から受け取ったメッセージをそのまま言葉にしているという形式になっている。また、前者が中立的な立場をとっているのに対して、この書は、異星人のメッセージを人類に強制している。しかも、ユダヤ人を異星人の直系の子孫として、特別扱いをするように強弁している。

 「序文」は、次のように始まっている。
 
『私も納得させられたこの驚くべき本の中には、人類にとってこれまでにないほどの規模で重要な内容の情報が明かされている。この本は単純な文体で簡潔に事実を述べる形式で書かれてあるが、これは私にとって、初めて出会った私達人間の肉体的起源、地球の歴史、昔から存在する各宗教の信条の違いに対して納得のいく説明であった。
全てに先んじて、この本で明らかにされていることは、私達がこの宇宙で唯一の存在ではないということである。しかし、それだけでなくその中に書かれてある全ての生物の中に存在する無限性、遺伝学、人間の性、スポーツ、心理学、政治、犯罪、さらには財産や結婚といった 世俗的な事柄まで多岐にわたる論題について有無を言わさずはっきりと明言している洞察の内容は、この本を他に多く出版されているUFO関係の書物の全てと一画をなして大きく抜きんでたものにしている。』(pp.序1)

 さらに続けて、
 
『この本は、私達人類を合む全ての地球上の生物が、同じ銀河系の別の惑星から来た人間の科学者達によって遺伝子工学を用いて創られたことを明言して、私も認めている全ての世界の主要の宗教の経典類をその事実をおぼろげにも証明するものとして、非神秘化し、再び焦点を当てている。』(pp.序1)

 著者は、1973年12月と、1975年10月に異星人と遭遇し、メッセージを受け取っている。彼等は、人類よりも25000年分も進化している。遭遇時の具体的な情景や交わされた言葉に続いて、主に旧約聖書の内容が彼らの仕業であったことが語られている。たとえば、天地創造については、このようになる。

 『「はじめにエロヒムは天と地を創造された」(「創世記」第1章第1節)
 聖書によってエロヒムは「神」と誤訳されていますが、エロヒムはヘブライ語で、“天空より飛来した人々”の意味を持ち、れっきとした複数形です。ここでいっておきたいのは、私たちの惑星を出発した科学者たちが、まず最初に、彼らの計画実現にふさわしい惑星を探し始めたということです。彼らが地球を発見して、大気は彼らの惑星とまったく同じではないが、人工生命の創造に必要な要素をすべて備えているということを確かめ、“創造”したのです。「エロヒムの霊が水のおもてを見おろしていた」(「創世記」第1章第2節)』(pp.21)

 さらに続けて、

 『エロヒムはその光を見て、良しとされた」(「創世記」第1章第4節)
地球上に生命を創造するためには、太陽が地表に有害な光線を放射していないかどうかを知ることが重要でした。 そして太陽は、有害な光線を放射することなく、地球を暖めていることが確かめられました。 「その光は良」かったのです。 「タとなり、また朝となった。第一日である」(『創世記』第1章第5節)
こうた調査にはかなりの時間がかかりました。ここでいう1日は、あなたがたの太陽が春分の日に黄道12宮のあるひとつの宮から昇りつづけている期間に対応しているので、地球上でのほぽ2000年間にあたります。』(pp.22)

 生物と、「ヒト」の創造については、次のように語られている。
 
『海と空の次に、科学者たちは大地の動物を創造しました。大地は植物が繁茂していたので、この植物を餌とする草食動物が最初に創られました。ひき続いて、草食動物の数のバランスをとるために、肉食動物が創られました。また、種同士のバランスを保たせる必要もありました。これらのことに携わった人々は、私のいる惑星からきたのです。私は、地球に生命を創り出した人々の一員です。
さてそれから、私たちの中で最も有能な人々は、私たちと同じような人間を人工的に創造しようとしました。それぞれのチームが作業に従事し、間もなくお互いの創造物を比較できるようになりました。しかし、彼らが「試験管ベビー」を創っていることが彼らの惑星で大問題になり、パニックを引き起こす恐れさえ出てきました。もしもその人間の能力と力が創造者を上回ることにでもなれば、彼らにとつて脅威になると恐れたのです。そこで私たちは人間には科学を知らせずに原始的な状態で生存させるようにし、また私たちの活動を神秘化する必要がありました。この創造者たちのチームがいくつあったかは、すぐにわかります。それぞれの人種が各チームに対応しているのですから。』(pp.25)

 そして、様々な人種の中で、イスラエルのチームが想像した「ヒト」が最も優れていたと結論し、将来についてのいろいろなことを託すようにした。その一つが、彼らのための基地(大使館)なのだが、それはまだ実現していない。

 その後、「ノアの大洪水」、「バベルの塔」、「アブラハムの生贄」、「モーゼの出エジプト」などについて、解説とその意義を語っている。

 私が疑問に思うのは、彼らの言葉があまりにも現代のキリスト教に拘っている(教会の組織や権威を完全に否定しているが)こと、東洋思想は評価の価値にあたらないとしていること、ダーウインの進化論について、「ホモサピエンス」だけでなく、すべての動物の種を別々に科学的に創造したということなどで、読みすすむむほどに疑いが出てきた。

『天、すなわち創造者たちの或星上では、しまいには科学者たちが統治するようになリ、そして別の知的生命体を創造しました。地、すなわち地球上でも、同じようなことが実現されるでしょう。たいまつの火は再びともされるのです。その深い意味が理解されないまま繰リ返されてきたこの祈リが、今その全体の意味を取リ戻したのです。「天に行われるとおリ、地にも行われますように」
イエスは、テレパシーによる集団催眠を用いて、説得力のある話をする方法も学びました。 「イエスがこれらの言葉を語り終えらわると、群集はその教えに驚いた。それは律法学者たちのようにではなく、権威ある者のように教えられたからである」(『マタイによる福音書』第7章第28節)
彼は創造者たちの助けを借リて、離れて強力な光線をあてることによって、病人たちの治療を続けました。 「ひとりのらい病人がイエスのところに来て、…。イエスは手を伸ばして、彼にさわり“そうしてあげよう、きよくなれ”と言われた。すると、らい病は直ちにきよめられた」(『マタイによる福音書」第8章第2・3節) 中風の患者に対しても同様の治療をしました。』(pp.81)

 そして、「新しい指針」と称して、現代社会に対して多くの注文を出している。例えば、民主主義における投票権は、ある程度の能力のある者、政治家がさらに能力の高いものに限らなければならないとしている。

 『普通選挙も世論調査も、世界統治には有効ではない。統治することは先を見通すことであり、羊の群れのような民衆の反応に従うことではない。彼らの中には人々を指導し得るはど十分に覚醒されている者は
一部しかいないからである。覚醒された人というのはきわめて少ないので、普通選挙や世論調査に基づく決定は、大多数の人間、すなわち覚醒されていない者たちによる決定であり、目先の満足のみを追い求める大多数の民衆の、蒙昧主義的潜在意識による本能的反応の選択にしかいきつかないものである。選択的民主主義である天才政治のみが、 価値あるものなのだ。そして、公職につくことができるのは、生まれながらの知性が平均よりも50パーセント以上優れた者にかぎるべきであり、それを選出できるのは、生来の知性が平均 より10パーセント以上優れた者にかぎるべきである。
科学者たちはすでに、われわれの知性を計測する技術を完成しつつある。彼らの忠告に耳を傾け、人類の最も貴重な鉱脈である知性の優れた子供たらが、それにふさしわしい教育を受けられるよう努力しよう。』(pp.108)
 
また、『生命を創造するため私たちが地球を訪れたとき、まず最も単純なものから着手しました。それから、環境に適応させる技術を進歩させ、魚類、両棲類、哨乳類、鳥類、霊長類を創遺し、最後にサルのモデルを改良したにすぎない人間を創造したのです。 つまり、猿のモデルに、創造者たちをして人間たらしめているものをつけ加えたのです。「聖書の創世記」にあるように、私たちの姿に似せて人間を創ったのです。もし偶然による進化だとしたら、これほど多様な形能が生じるということはほとんどありえないことが、あなた自身でもわかるでしょう。
鳥の体色や求愛行動、それにある種のかもしかの角の形をごらんなさい。 いったい自然は、どういう必要があってある種のかもしかや 山羊の角をうずまき状にしたというのでしょうか。青や赤の羽をした小鳥たち、エキゾチックな魚についても同様です。 これらは、私たちの「芸術家」の作品なのです。あなたがたが生命を創造する番になったときに、 芸術家を忘れないようにしなさい。芸術家や、音楽、映画、絵画、彫刻といったものがまったく無い世界を、想像してごらんなさい。もし動物たちの体が、彼らの欲求や機能に従って反応するだけだとしたら、生活はどんなに退屈になり動物はどんなに醜くなることでしょう。』(pp.110)

 第2部は「不死の惑星への旅」と称して、著者が進化した惑星に招待され、見聞きしたことが記されているが、省略する。
 
 そして、最後の第3部に「新しいメッセージ」が24ページにわたって書かれている。ここが大いに問題だと思う。
 
 『翌日、またもや異星人に会うと、彼は次のように話し始めました。
「まず最初に、政治と経済の分野について考えてみましょう。人類の進歩を可能にするのは、どんな種類の人間でしょうか。それは天才たちです。だから、あなたがたは天才たちを再確認して、彼らが地球を指導することを可能にする必要があります。 これまで権力を握ってきためは、他の者より肉体的な力が強い「野蛮人」、こうした野蛮人をたくさん雇える資産家、希望をふリまいて、民主主義国家の国民の心をたくみにとらえる政治家といった人々です。そしていうまでもなく、野蛮性を合理化する組織を踏み台にして、自分たちの勝利を勝ちとる軍人たちに、権力を次々と与えてきたのです。 あなたがたが決して権力を与えてこなかった唯一のタイプの人間こそ、人類を進歩させてきた人々です。歯車や火薬、内燃機関、原子力などを発明した人々、こうした天才による平和のための発明は、彼らより知性の劣る権力者が、しばしば殺人のために利用して恩恵をこうむってきました。こういうことを変えなければなりません。』(pp.148+1)

 『エルサレムの近くに私たちを歓迎するための大使館が建設されるように私たちは要請しましたが、頭の固い民の当局は、必要な治外法権についての許可を与えることを何度も拒絶しました。
私たちがエルサレムを優先したのは純粋に感情的なものだったのです。私たちにとってのエルサレムというのは、人類が私たちを愛し、尊敬し、十分な尊敬を持って私たちを歓迎しようとするところであればどこでも良いのです。そして選ばれた人たちというのは、私たちが誰なのかを知っていて、私たちを歓迎することを望んでいる人たち、即ちラエリアンたちのことなのです。地球上の真のユダヤ人はもはやイスラエルの人々ではなく、私たちを本当に自分たちの 創造者たちとして認め、私たちが戻ってくるのを望んでいる全ての人たちなのです。』(pp.148+4)

 さらに、
『この点で、国際ラエリアンムーブメントは1991 年から数回イスラエル政府及びエルサレムのラビの長に対して意志表示を行い、エロヒムが初めて人間を創った場所であるエルサレムに近いところにこの大使館が建てられるのに必要な治外法権を要請しています。ユダャ教の最初の神殿は実のところは前の大使館であったものであり、その周りに古代の都市が造られたのです。工ロヒムは今やイスラエル政府に対して新しい大使館―第三の神殿―に刈して治外法権を許可することを待っているのです。でも、いまだにイスラエルからは肯定的な反応はありません。』(pp.148+11)
  
読み終えて、私には、この書は一つの宗教団体の書物(ここでは、世界中の過去・現代のすべての宗教を否定しているが、なかでも現在のキリスト教を目の敵にしているように思える)のように思えてきた。冒頭の最初の邂逅だけならば、完全否定はできないのだが、後半の話には無理が多いので、全体が一つの宗教に思えてしまうのだ。
 しかし、この書が「神々の遺伝子」から始まり、「シュメール文明」、「第12惑星」と展開された一連のストーリーの始まりだったように思われる。そこで、このストーリーの最後として、最新の宇宙物理学の書物をあたることにした。

書籍名;「私たちは時空をこえられるか」 [2018] 
著者;松原隆彦 発行所;SBクリエイティブ
発行日;2018.10.25 初回作成日;H31.3.5 最終改定日;

 副題は「最新理論が導く宇宙の果て、未来と過去への旅」で、著者は高エネルギー加速器研究機構 素粒子原子核研究所教授とある。「宇宙の誕生と終焉」という著書もある。
 
 話は、タイムマシンから始まる。理論的には未来へ行くことは容易いが、過去へ行くことは難しい。私の興味は、宇宙人が地球に到達し、何かを残して(例えば、優れた遺伝子をヒトの祖先に植え付ける)去ることができるかどうかだが、これもいとも簡単に思えてくる。
 著書には「1G宇宙船」の話が多く出てくる。ひたすら1Gで加速し続ける宇宙船だ。これならば、宇宙旅行は耐えられる。問題は往復所要時間だが、次のような表が解りやすい。
  目的地の距離  往復所要時間  地球の経過時間
    10光年    10年     24年
   100光年    18年    204年
  1000光年    27年   2003年
    1万光年    36年     2万年
 
つまり、この宇宙船により1万光年先の惑星から36年ごとに宇宙人が往復旅行をしたとすると、彼らは地球を2万年ごとに訪れることになる。そして、自分たちの残したものの成果を確認できる。それは、遺伝子を埋め込んだヒトの進化かもしれない。
 恒星には、「ハビタブルゾーン」という領域が存在する。それは、恒星からある距離の範囲に位置する惑星は、生物が存在する可能性がある、というわけである。
 最新の研究では、このゾーンに位置する「プロキシマ・ケンタリウス」のある惑星で、たった4光年しか離れていない。
1G宇宙船だと、3年7か月で到達できるそうだ。このような星は、次々に見つかっている。

 現在の結論としては、ダーウインの進化論では解けない「類人猿からホモサピエンスまでの不自然で急激な進化」については、異星人による遺伝子操作の方が、分がよさそうに思える。


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