1月31日。フィンランド旅行2日目。
昼間は雪がちらつき、夜7:00くらいまでは厚い雲に覆われていたサーリセルカですが。
夜9:00頃。
星が見え始めたので明りの少ないエリアへ行くと。
空がなんとなく、明るい???
見上げると、いつの間に雲がどこかへ行ってしまったのか、満点の星。
(って、わかりにくい写真ですが)
・・・が。
カメラを構えて待つこと30分。 オーロラは一向に出る気配なし。
更に風も強くなってきました。
というわけで、ヘタレ部部長の私が高らかに勇気ある撤退宣言。
いったんお部屋に戻ることに。
夜10:30。
ふたたびオーロラ探しへGO!
サーリセルカはオーロラ目的の観光地なのだけど、最近はホテルもお店も増えたことで灯りも増え、オーロラ観測が難しくなってきているとのこと。
なので、できるだけ明りから遠ざかるべく。
ずんずん。ずんずん。山を登ります。
見えにくいのですが、画面中央にぼんやり写っているのが夫やっちゃん。
よ~く見ると、2個のそりをひきずってます。
この山道。
実はスキーゲレンデの中のそり専用コース。
細いコースの両側には全身雪をまとった大きな木がぬぼ~っと立っていて、見上げると満点の星でうっとりするのだけど。
真っ暗な雪道をたった2人で歩くのは、なんだかちょっと怖かったのでした。
と、この光景を見ながらふと思い出したのが、ムーミンシリーズの中でも特に好きなこちら。
『ムーミン谷の冬』。
冬は冬眠するムーミン。ある冬の夜ぱっちりと目を覚ましてしまったことで起こる物語なのですが、その中にこんなくだりがあります。
“「おさびし山」は、すっかり雪におおわれて、まっ白なすがたをしてそびえていました。月のない晩でしたけれど、しめった空気の中で、星はいつもよりつよく、きらきらとかがやいていました。”
そう! まさにこのまんま!
この日は新月。星だけは光り輝いているけれど、なんとなく心細い山道はまるで「おさびし山」のよう。
(・・・って、「おさびし山」知らんけど)
雪で覆われた木は今にももそもそしゃべりだしそうだし、それ以外は星しか見えず、宇宙の中をふわふわ歩いているような不思議な気持ちになったのでした。
で、もくもく、もくもくとひたすら登り、ようやく頂上へ着いたその時。
「あれ・・・。なんか、動いてへん?」
これは、もしや・・・。
オーロラ!
・・・ですよね?
実はオーロラは肉眼でここまで鮮やかに見られるわけではなく、弱いオーロラの場合は薄い白い雲が揺れているような感じです。
写真に撮って色がついていたら、それはオーロラ! 大当たり~!というわけ。
だ~れもいない頂上で、白い帯が揺れるさまをただ眺める二人。
・・・なんだけど。
寒いっ! 寒すぎるっ!!!!!
頂上にはさえぎる木々もほとんどなく、顔に吹き付ける風は目を開けていられないほど。
オーロラも色が薄くなってきたので、もう我慢の限界!
下山じゃ、下山じゃ!
現在地はスキー場の頂上。
左下、ふもとまでは。
1.2キロ・・・。(あの極寒の下、これを登ってきたのか)
この坂を、やっちゃんが必死こいて運んでくれたそりに乗って、一気に滑り降りるわけです。
夜景を前に、いざ下山~!!!
ひゃっほ~い!!!!!
・・・・・って、面白かったのは最初の一瞬で、あとははっきり言って。
コレ、苦行デスカ?
顔に吹き付ける風、さらに、地面からの雪がえげつない勢いで顔に直撃するためほとんど目を開けていられない状態なのでした。
涙目になりながら、しかもその涙もすかさず凍ってしまうよろよろ状態だったけど、ま、こんなオーロラ観測もまた良し。
・・・・・いやいや。
できれば楽して見たいでしょ、オーロラ。
というわけで、早速翌日、郊外まで出かけるオーロラツアーに申し込んだ私たちだったのでした。
続きはまたこんど。