『動物たちは何をしゃべっているのか?』 山際寿一・鈴木俊貴 集英社
つい最近まで、動物には複雑な思考はないとされ、研究もほとんどされてこなかった。ところが近年、動物の認知やコミュニケーションに関する研究が進むと、驚くべきことが分かってきた。例えば、小鳥のシジュウカラは仲間にウソをついてエサを得るそうだ。ほかにも、サバンナモンキーは、見つけた天敵によって異なる鳴き声を発して警告を促すという。動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか?
シジュウカラになりたくてシジュウカラの言葉を解明した気鋭の研究者・鈴木俊貴と、ゴリラになりたくて群れの中で過ごした霊長類学者にして京大前総長の山極寿一が、最新の知見をこれでもかと語り合う。話はヒトの言葉の起源、ヒトという生物の特徴、そして現代社会批評へと及ぶ。そして、その果てに見えたヒトの本質とは!?
冒頭で鳥の鳴き声に鈴木氏は「あれは、危険を知らせる声。・・・ほら、オオタカが飛んでいますよ!」って、スゴイ!シジュウカラは見通しの悪い森に住む鳥で視覚のコミュニケーションでは不十分なので言葉を発達させたのではないか、森の中ではおしゃべりなシジュウカラは飼育下では環境が単純なのであまり鳴かないとか、シジュウカラの言葉に文法があったとか、興味深い話がいっぱい。
そして、一流の研究者同士の対談は、動物だけに終わらず、言語や戦争、SNSの炎上へと話が及ぶ。
言葉に頼りすぎたことで「文章を読み解く力」が衰退しているのではないか。一から十まで言葉で説明しないと伝わらないという話には共感した。読み聞かせをしていて、想像する力が弱っていると漠然と感じていたことだったので。
動物にできてヒトにできないことは山ほどある。人間の考える知性が唯一絶対ではない、我々の知らない知性があるかもしれない。という謙虚な姿に好感が持てた。
おもしろかった。
つい最近まで、動物には複雑な思考はないとされ、研究もほとんどされてこなかった。ところが近年、動物の認知やコミュニケーションに関する研究が進むと、驚くべきことが分かってきた。例えば、小鳥のシジュウカラは仲間にウソをついてエサを得るそうだ。ほかにも、サバンナモンキーは、見つけた天敵によって異なる鳴き声を発して警告を促すという。動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか?
シジュウカラになりたくてシジュウカラの言葉を解明した気鋭の研究者・鈴木俊貴と、ゴリラになりたくて群れの中で過ごした霊長類学者にして京大前総長の山極寿一が、最新の知見をこれでもかと語り合う。話はヒトの言葉の起源、ヒトという生物の特徴、そして現代社会批評へと及ぶ。そして、その果てに見えたヒトの本質とは!?
冒頭で鳥の鳴き声に鈴木氏は「あれは、危険を知らせる声。・・・ほら、オオタカが飛んでいますよ!」って、スゴイ!シジュウカラは見通しの悪い森に住む鳥で視覚のコミュニケーションでは不十分なので言葉を発達させたのではないか、森の中ではおしゃべりなシジュウカラは飼育下では環境が単純なのであまり鳴かないとか、シジュウカラの言葉に文法があったとか、興味深い話がいっぱい。
そして、一流の研究者同士の対談は、動物だけに終わらず、言語や戦争、SNSの炎上へと話が及ぶ。
言葉に頼りすぎたことで「文章を読み解く力」が衰退しているのではないか。一から十まで言葉で説明しないと伝わらないという話には共感した。読み聞かせをしていて、想像する力が弱っていると漠然と感じていたことだったので。
動物にできてヒトにできないことは山ほどある。人間の考える知性が唯一絶対ではない、我々の知らない知性があるかもしれない。という謙虚な姿に好感が持てた。
おもしろかった。
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