『スケバン刑事』は1985年の4月から10月まで、フジテレビ系列の木曜夜7時半からの30分枠で全24話が放映された、東映制作によるフィルム撮影の学園アクションドラマ。
和田慎二さんの人気漫画を実写化した作品で、続編が2つ、劇場版が3つ制作されたほか、亜流番組も数本生み出した人気シリーズの原点です。
手のつけられない不良少女で、少年院にぶち込まれてたのを「暗闇機関」にスカウトされ、やはり刑務所にいる母親の死刑執行中止と引換えに仕方なく「スケバン刑事」の任務を引き受けた麻宮サキ。扮するは週刊『少年マガジン』のグラビアやインスタントラーメンのCMで注目されたばかりの新人アイドル=斉藤由貴!
その麻宮サキを監視し、暗闇機関からの指令を伝えるべく、夜な夜な留守中に土足で部屋に上がり込み、クローゼットを漁ってパンティーの匂いを嗅いでから、何食わぬ顔で彼女の帰りを待つエージェントの神 恭一郎に、中 康次。
そして警察より強大な権力を持つと云われる暗闇機関の幹部=暗闇指令を演じる俳優は「?」とクレジットされてたけど、どう見たって桑田佳祐だから、長門裕之。
第1話『謎の転校少女サキ』はパイロット版として制作された為、独立したストーリーになってます。
裏口入学を斡旋して私腹を肥やす女子高の校長らを、サキが超合金ヨーヨーwith桜の代紋で懲らしめる。
「スケバンまで張ったこの麻宮サキが、何の因果か落ちぶれて、今じゃマッポの手先……」
「笑いたければ笑えばいいさ。だがな! テメエらみてぇに魂までは薄汚れちゃいねぇんだぜ!」
「テメエら、許せねえっ!!」
実にアホなドラマですw けど、これはインパクトがありました。当時、東京で新聞奨学生をやってた私は、専売所で斉藤由貴ファンの同僚と一緒に賄い飯を食べながら、この第1話を観たときの驚きを鮮明に憶えてます。なんと38年前!
東映には昔からスケバン映画の伝統があるけど私は観たこと無かったし、そのスケバン路線に大映テレビ(赤いシリーズ等)のアイドル路線、さらに特撮ヒーロー物のテイストまで加えた『スケバン刑事』の世界観は俺ジナルに溢れてました。
主役の斉藤由貴さんにスケバン要素のカケラも無いのがまた画期的! 例えば当時の三原じゅん子さんみたいに「如何にも」な人が演じてたら、たぶん面白くないしヒットしなかった筈。
その「ギャップ萌え」戦略は続編の南野陽子さん、浅香唯さんらに引き継がれていく事になります。
そして第2話『帰ってきた不良少女サキ』が実質的な初回で、麻宮サキが少年院に入る前に通ってた鷹ノ羽学園が舞台となり、髪の毛フサフサの担任教師=平泉 成や……
やけに色っぽい用務員の高畑淳子らと闘うことになります。
最大の見どころは勿論、当時売出し中だったけどイマイチ売れなかった、若手女優たちとの対決や共闘。
第1話には大映ドラマや『太陽にほえろ!』等の刑事ドラマでもよくお見かけした立原ちえみさんや……
やはり刑事ドラマのゲスト出演が多かった大川陽子さんがご登場。
そして第2話には麻宮サキのライバル番長となる夢小路美也子が登場。演じたのは後に山口県長門市の市議会議員(田中千秋名義)となられる、アイドル歌手出身の渡辺千秋さん。
というワケでセクシーショットは斉藤由貴さん、大川陽子さん、渡辺千秋さんです。
リアルで見てたはずなのですが、ここまで斉藤さんが学芸会とは(笑)
ラストの悪者を懲らしめる下り、相手俳優のお二人がベテラン過ぎて!
このお二人でなければあのおさばきの下りは事故だったような気がします(笑)
おっしゃるとおり、不良っぽい人がしてもヒットしなかった気がします。
二話の高畑さんのくだりも、高畑さんと男性うまいのに斉藤さんが学芸会過ぎて説明できない魅力爆発でした(笑)
ある種、ものすごくカオスな番組だったなですね!とても楽しめました。
最初の2話で対決する相手がベテランだったり演技派だったりしたのはまさに、ぎりぎり学芸会を免れるための対策だったんでしょうね。
「テメエら、許さねえ!」が
へめえらゆるせでぇ!
に聞こえるというのは当時のミームのようなものでした。
まあ、アイドルが主演する戦隊ものみたいなものですよね