☆第27話『走れ!雪の中を』(脚本=篠崎 好/監督=湯浅憲明)
第26話と第27話は金沢ロケ編で、前回は父=修平(下川辰平)が親心でセッティングしたお見合いに親孝行でつき合う洋子(木之内みどり)と、それで大いに心を乱された大島刑事(加納 竜)とカールがw、わざわざ金沢まで追いかけて来ちゃうという、日本警察はどんだけヒマやねん!?っていうお話でした。
で、今回は和倉のホテルで働く幼なじみの純子(浅野真弓)を訪ねた洋子が、彼女の恋愛相談に応じるという、これまた事件が絡まないお話。
純子は二人の同級生だった明男(南条弘二)と結婚するつもりなんだけど、彼が相当なワルだった過去を気にする弟=信二(長谷川 諭)は猛反対。
で、口論の末に家を飛び出した信二が行方不明になってしまい、カールの嗅覚で探し出したら離島の掘っ立て小屋で死にかけてたから驚いた!
島の医者(伊沢一郎)を連れてきて診てもらうと破傷風であることが判明し、すぐに本土から血清を取り寄せないと信二は死んじまうんだけど、電話は通じないし外は吹雪で船を出せないしで絶体絶命!
てなワケで、カールが極寒の海を泳いで渡り、命懸けで病院から血清を運んで来るという、現在なら動物愛護団体から厳重なクレームが来るであろう展開となります。
もちろん、命を救われた信二は心を入れ換え、初めて明男を「兄さん」と呼んで純子を喜ばせます。明男はただ医者を呼びに行っただけで、あとは何もかもカールのお陰なんだけどw
こんな(言っちゃ悪いけど)凡庸なお話が連ドラの1エピソードとして成立するのも警察犬の活躍があればこそで、ほんとカール様様です。
いくら人命救助の為とは言えプライベートで警察犬をこき使い、生命の危険まで冒させたヒロイン=洋子に一体どんな厳重処分が下るのか、そこには一切触れずドラマは笑顔いっぱいでハッピーエンド。ホントおおらかな時代でした。
それにしても地方ロケのイベント編だけあって、ゲスト陣がやたら豪華です。信二のガールフレンドとして石田えり(当時のクレジットは内田エリ子)さんまで登場しますからね!
当時すでにメジャーだったのは下川辰平さん、浅野真弓さん、南条弘二さんだけ(それでも充分豪華だけど)かも知れないけど、後に売れっ子となる石田えりさんや長谷川諭さんの起用にはスタッフの確かな選択眼を感じます。
石田えりさんは当時まだ17歳か18歳。別名義での出演だったせいかWikipediaのフィルモグラフィーに『刑事犬カール』は記載されておらず、もしかするとこれがテレビ初出演だったかも知れません。
この翌年『太陽にほえろ!』第358話にゲスト出演、'80年~'81年の『ウルトラマン80』レギュラー出演を経て、ATG映画『遠雷』のヒロイン役でボインぼいぃぃ~ん!と大ブレイクされる事になります。
ムーミン