『Gメン'75』と言えば香港カラテ、と連想しちゃうのは私だけじゃない筈です。当時このシリーズはやたら大々的に宣伝されてたし、学校でもよく話題になってました。
草野刑事役の倉田保昭さんは本来、香港に拠点を置くアクションスターであり、現地のスタッフやキャストに顔が利く。そのお陰で実現したシリーズなんだそうです。
前回ご紹介した第105話の香港ロケはほんの序の口で、第175話&176話の『香港カラテ対Gメン』二部作が本格シリーズ第1弾。
もちろん主役は草野刑事。倉田さんの顔で香港のカンフースター=ヤン・スエがゲスト出演し、草野刑事と死闘を繰り広げました。
で、最後にヤン・スエは死んじゃうんだけど、今回の第2弾では「瓜二つの弟」として再登場w、草野刑事と死闘を繰り広げ、最後はやっぱり死んじゃいますw
このシリーズ、ホントかウソか知らないけど香港じゃ視聴率70%だったとか。それだけクオリティーの高いカンフーアクションであり、日本のTVドラマ史上でも類を見ないシリーズでした。カンフーなのに、なぜタイトルが「カラテ」なのか、その理由は誰にも分かりませんw
☆第201話『Gメン対香港カラテ軍団』
(1979.4.7.OA/脚本=高久進/監督=小松範任)
これもまた、物凄いストーリーでした。
草野刑事の行方不明だった父親が、香港で暮らしてることが判明し、香港へ飛ぶ草野。
草野すなわちGメンが入国したもんで、香港コネクション(麻薬組織)が警戒し、幹部を東京へ派遣。驚異的な諜報スキルでその動きを察知したGメンは、幹部を逮捕し、ヘロインを押収します。
Gメン本部の地下取調室(という名の拷問部屋)で幹部に注射器を突き付け、「ヘロインを打たれたくなかったら香港コネクションの正体を吐け」と脅すGメンw
実際にヘロインを打つ描写はさすがに無かったけど、後のシーンで幹部が禁断症状に苦しんでますから、確実に打ってますw
Gメンの取調べ(という名の拷問)は実に合理的で、殴る蹴るなんて面倒なことはしません。他の回じゃ容疑者に防弾チョッキを着せて銃弾を浴びせたりしてましたw
さて、怒った香港コネクションは(そりゃ怒るわw)草野の父を拉致し、その命と引き換えに幹部を釈放するよう草野に要求。
草野はGメンを裏切り、密かに幹部を釈放し、香港へ連れていく。そこで、いよいよ宿敵ヤン・スエ登場! 筋肉が動くたびにメリメリメリメリッ!っていう効果音が入りますw
アーノルド・シュワルツェネッガーがカンフーするようなもんですから、さすがの草野もフルボッコにされちゃいます。
因果応報、今度は香港コネクションが草野を拷問し、ヘロイン浸けにします。国家権力を盾に、やりたい放題やってるからこんな目に遭うw
果たして草野は、無事に日本へ帰ることが出来るのか!?(つづく)
PS. 画像のチャイナ服ガールは、香港で草野の父と一緒に暮らす孤児を演じた、沢井桃子さん(当時25歳)。
『刑事くん』『太陽にほえろ!』『特捜最前線』『大空港』『大捜査線』等の刑事ドラマにもゲスト出演されてますが、この『Gメン'75』にはなんと計12回、全て違う役で出演されてます。(続編『Gメン'82』にもご登場)
プロデューサーか丹波哲郎さんあたりに、よっぽど気に入られたんでしょうねw
みんな中国語しゃべってて(広東語と北京語ごっちゃ)、みんな格闘強い(ブルース・リー映画見すぎ)、マフィアの街(そりゃ三合会とか13Kとかいますけど…)
それ以上をイメージできないのかと思うんですが…
Gメンはまだいいんですけどね。
今回は難民(ボートピープル)とか出てくるし。でも70年代だったら本土系よりベトナム系の流入の方が社会問題になってたはずですが…
香港警察も、ろくに協力しないのは、まあまだ汚職とか多かった時期だし…と思ったら後編で無理矢理などんでん返し。
「娯楽だから」と言ったらそれまでですが、海外舞台の時は向こうの社会事情をしっかり考証していた方が物語に深みも出るような気がするのですが…
90年代の某香港映画とかはそのへん凄かったですよ。
オ○ムが出てきたり警視庁SAT(しかも迷彩装備)が出てきたり…
勿論ちゃんと考証して創るに越したこと無いんだけど、それには手間と時間とお金が掛かるということで、特にテレビ作品では省略されちゃうんだろうと思います。
私は海外作品で描かれるヘンテコな日本を観るのがけっこう好き(笑えるから)なので、香港の人たちも意外と楽しんでたのかも?(Gメンの香港カラテシリーズは向こうで凄い視聴率だったとか)