ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ヤメゴク/ヤクザやめて頂きます』2015

2019-10-29 00:00:57 | 刑事ドラマ HISTORY









 
2015年の春シーズン、TBS系列の木曜夜9時「木曜ドラマ劇場」枠で全10話が放映された連続ドラマ。櫻井武晴さんのオリジナル脚本で、『ケイゾク』『SPEC』に続く堤 幸彦さん演出による第三の警察ドラマです。

警視庁組織犯罪対策部すなわち「マルボー」の中に新設された、暴力団離脱者相談電話=通称「足抜けコール」係の活躍が描かれます。

要するに足を洗いたいヤクザの相談に乗り、組との交渉や就職先の斡旋を引き受け、更正を後押しする部署ってワケです。

勿論、そう簡単にヤクザの世界から抜けられるワケが無いので、大島優子さん演じるヒロイン=永光麦秋(ながみつ ばくしゅう)がヤクザどもをコテンパンにやっつけ、組長を脅迫して強引に離脱契約書にサインさせるという、かなり漫画チックな世界です。

その麦秋のド派手な大立ち回りを描いた第1話の序盤を観て、私は「おっ、これはハマるかも!」って思ったのですが……

それが後半になると、足抜けした元ヤクザ(でんでん)の就職先に暴力団が嫌がらせに来たり、足抜けに協力した病院が近隣住民たちから吊し上げられたり等、えらくシリアスかつ現実的な世界に変わっちゃうんですよね。

それはそれで興味を引かれる問題ではあるんだけど、序盤の漫画チックな世界とアンバランスなもんで、イマイチ乗り切れない。どっちがメインなの?って思っちゃう。

麦秋はヤクザ絡みの事件で父親を亡くしたみたいで、その憎しみから情け容赦なくヤクザどもを叩きのめす。実に素晴らしい設定ですw

なのに、足抜けするヤクザには全力のサポートを惜しまない彼女。ヤクザを1人でも減らしたいからっていう理屈は解るんだけど、なんかスッキリしません。憎いなら憎いで、全てのヤクザへの復讐目指して一直線に行ってくれた方が、少なくとも私は楽しめる気がします。

例え改心して足抜けしようが、ヤクザだった過去の罪は絶対に消えやしない。だから彼女は、苦しんでる元ヤクザを見てほくそ笑むキャラであって欲しい……って、それじゃドラマにならないかも知れないけど。

大島優子さんは堤幸彦ワールドの中で新境地を開拓すべく、頑張っておられます。今後、女優として生き残って行けるか否か、まさに正念場でしょう。

だから応援したいと思うんだけど、『ケイゾク』の中谷美紀さんや『SPEC』の戸田恵梨香さんと比べてしまうと、ちょっとストイック過ぎて面白みに欠ける気もします。あの2人が凄すぎたのかも知れないけど。

そこんとこの弱さをカバーすべく、北村一輝、田中哲司、庄野崎 謙、勝地 涼という芸達者な男優陣が「足ぬけコール」メンバーに扮する他、本田 翼、山口紗弥加、名取裕子、岡田浩暉、遠藤憲一etcといった人達が脇を固めてます。

前述のとおり漫画チックな世界観と話のシリアスさが釣り合ってないのは残念だけど、堤監督の人を食ったような脱力系ギャグは好きだし、ヒール履きでハードな立ち回りを毎回披露してくれる大島優子さんの心意気、関西弁丸出しで楽しそうに三枚目を演じる北村一輝さん等、見所は多いです。
 

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