2024年秋シーズン、日本テレビ系列の土曜夜10時「土ドラ10」枠でスタートしたサスペンスドラマ。制作はこれまで同枠にて『大病院占拠』『新空港占拠』『ボイス/110緊急指令室』等を手掛けてきた日テレ&AX-ON。
つまり今回も「ミスリード」と「どんでん返し」を無限ループで繰り返す究極のアトラクション・ドラマで、先の展開や真犯人&裏切者の正体を、視聴者たちがネット上で“考察”して盛り上がる構図は前回レビューした『警視庁考察一課』と同じ。昨今の連ドラは(ジャンルを問わず)多かれ少なかれそういう要素が不可欠になってるみたいです。
主人公は、刑事だった父親を特殊詐欺組織「幻獣」に殺された元神奈川県警ポリスマンの渡良瀬貴一(竜星 涼)と、その妹で優秀なホワイトハッカーの渡良瀬優貴(八木莉可子)。
二人は父親の無念を晴らすべく独自に「幻獣」の正体を探ってたんだけど、いきなり県警捜査二課の刑事たちに身柄を拘束され、実は父が特命捜査官として「幻獣」に潜入し、正体がバレて暗殺されたという事実を聞かされた上、二人が犯したハッキング等の違法行為を見逃す条件として、半ば強制的に「幻獣」への潜入を依頼されるのでした。
父と同期だった捜査二課刑事の入間慎之介(及川光博)は二人の良き理解者として裏からサポートするんだけど、そういう人物こそが敵と内通してる“裏切者”なのは今やセオリーで、だけどそう見せかけて実は味方だった、と見せかけてやっぱり裏切者だった!と見せかけて実は……!みたいな展開になるのも自明の理。
そんな荒唐無稽っぷりを「ほら来た!」「まだやるんかい!?」って、たぶんネット民たちは“ネタ”として面白がってる。これもある意味「サスペンスドラマのパロディー」と言えるかも?
もし、詐欺組織「幻獣」の冷酷無比な幹部=幻武(吹越 満)こそが実は潜入捜査官で、唯一信用できる仲間だったりするのかも?なんて匂わせて来たらやっぱり裏切るだろうし、と匂わせてやっぱり……!とか、笑えてナンボのパロディーなら何だって有り得る。
まあパロディーは言い過ぎとしても、これは全てがゲームなんだと割り切って観ればけっこう面白い。私はネット上の“考察”に参加する気は無いけど、時間さえあれば最終回まで観ちゃうかも知れません。
敵幹部を演じるキャストが毎回1人ずつラストシーンで明かされるのも『占拠』シリーズから続くお約束で、第2話で明かされた色気ムンムン女「朱雀」の正体は、『占拠』シリーズでも敵に寝返った白石聖さん!
なので今回も、実は彼女こそが唯一の味方だった!と見せかけてやっぱり寝返った!と見せかけてやっぱり……!てな展開も充分あり得ます。むしろ是非そうして頂きたい!
ほか、捜査二課長“詐欺犯罪特別対策室”の吉野室長に長尾純子、県警の狩野刑事部長に神尾佑、そして渡良瀬兄妹が所属(潜入)する詐欺チームのリーダーに入山杏奈、その仲間に徳井優、呉城久美、伊藤あさひ、岡井みおんetc、といったレギュラーキャスト陣(第2話時点)。
以前はこのテの番組を目の敵にしてたのに、ちょっと変わって来た自分の心境が興味深いです。心が広くなったんだと思いたい!
セクシーショットは八木莉可子さん、白石聖さん、入山杏奈さんです。