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2015年の春シーズン、NHK総合の土曜夜10時「土曜ドラマ」枠で全5話が放映された、横山秀夫さんの警察小説をドラマ化した作品。
翌'16年には瀬々敬久監督による劇場版が二部作として公開されますが、そちらはTBSの製作でこのドラマ版との関連はありません。
わずか7日間で幕を閉じた昭和64年に発生し、未解決のまま時効が迫りつつある少女誘拐事件の哀しい結末が、「D県警」に務める広報官の視点から描かれます。
事件後、捜査一課から警務部への異動を命じられ、不本意ながら広報室のキャップを務める主人公=三上警視にピエール瀧(映画版は佐藤浩市)。※以下、( ) 内は全て映画版のキャストです。
元婦警である三上の妻に木村佳乃(夏川結衣)、父に似てしまった自分の容姿を嫌悪する三上の娘に入山杏奈(芳根京子)、三上の部下となる広報室メンバーに新井浩文・永岡卓也・山本美月(綾野 剛・金井勇太・榮倉奈々)、記者クラブのリーダーに永山絢斗(瑛太)、三上を操る狡猾な警務部長に平 岳大(滝藤賢一)、三上と同期の警務部調査官に吉田栄作(仲村トオル)、刑事部長に中原丈雄(奥田瑛二)、かつてロクヨン捜査班を束ねた捜査一課長に柴田恭兵(三浦友和)、その後も事件と深く関わることになる捜査班メンバーに萩原聖人・水澤紳吾(吉岡秀隆・窪田正孝)、そして誘拐殺人犯に尾美としのり(緒形直人)、被害者の父親に段田安則(永瀬正敏)、といったキャスト陣。ドラマ版で永山絢斗くんが演じた役を映画版で実兄の瑛太くんが演じてるワケですw
私は、同じ横山秀夫さん原作による映画『クライマーズ・ハイ』も『半落ち』もそれほど面白いと思わなかったし、この『64』は作風が特に暗く重そうだったもんで、ドラマ版も映画版も完全スルーして来ました。
けれどブログで「刑事ドラマHISTORY」を銘打つ以上、無視を続けるワケにもいかないと覚悟を決め、まずストーリーを把握するため映画版二部作を先に観て、それからドラマ版の第1話&第2話を観るという、邪道にも程がある観方をしちゃいましたm(__)m
でも多分、普通にドラマ版全話→映画版の順に観たとしても、私の感想は変わらないと思います。映画版は結末を大胆に改変してる(おかげで原作ファンにさんざん叩かれた)らしいけど、私にとってそれは大した問題じゃありません。重要なのは刑事物として面白いかどうか、ただそれだけ。
結論から言えば、愛する娘を殺された父親の復讐ストーリーとしては見応えあったけど、刑事物として観るとムダな描写が多すぎて、かったるい。総合的には面白いけど、やっぱり私好みの作品じゃなかったです。
ドラマ版のクオリティーはすこぶる高いと思います。「ながら見」ではついて行けない複雑なストーリーを、説明的なセリフや映像を極力排除して見せきった、視聴者に媚びない制作姿勢がまず素晴らしい。
そしてバイプレイヤーだったピエール瀧さんを主役に抜擢したチャレンジングな姿勢。それは原作に「鬼瓦みたいな顔」って書いてあるからなんだけどw、集客優先で(ぜんぜん鬼瓦じゃない)佐藤浩市さんをキャスティングせざるを得なかった映画版の弱腰を思えば、さすがはNHKと言うほかありません。
もちろん何もかも原作通りにする必要は無いワケだけど、主人公の娘が「父親に似てしまった自分の顔」を嫌悪して「整形する」って言い出す場面を、佐藤浩市さんが演じるのはさすがに無理がありました。でもピエールさんなら納得ですw
あと、ドラマ版は音楽も良かった。大友良英さんが『あまちゃん』や『いだてん』とはまるで違うハードボイルドなサウンドで我々を魅了してくれます。(あんまりカッコいいからサントラCDを買おうと思ったのに、売ってないみたいです)
ただ、いかんせんストーリーが……
主人公の三上が広報官=警察とマスコミを繋ぐ窓口の立場なんだけど、誘拐事件とは全然関係ない交通死亡事故の報道に関して、加害者の実名を公表するかしないかで記者クラブと揉めるシーンが延々と続くんですよね。
加害者が政治家の娘か何かで警察上層部が匿名扱いを指示し、それを通達する三上に記者たちが猛反発し、怒号を飛び交わせる描写がとにかく長い。それって必要?って思うし、事件記者ってあんなチンピラみたいな輩ばかりなの?とも思っちゃう。特に映画版は大勢でアホの一つ覚えみたいに怒鳴り散らすばかりで、芝居としても全く面白みが無い。
まぁ、記者たちがあんなにストレスを溜め込むほど警察の隠蔽体質が酷くて、それが誘拐事件の被害者遺族を復讐に走らせるっていう作劇上の繋がりは解るんだけど、それにしたってここまでしつこく描く意味が本当にあるのか?
その辺りの描写を必要最小限に抑えれば、たぶん映画版は前後編に分けなくても済んだはず。もしかしたら逆に2本分稼ぐためにムリやり引き延ばしたのかも?って思うくらい、異常に長かったです。
そもそも、警察が組織ぐるみで不祥事を揉み消すドラマはもうさんざん、辟易するほど我々は観せられて来たワケで、またここで誘拐事件の顛末と同じ(下手すりゃそれ以上の)比重で描く必要がどこにあるのか?って思う。
で、板挟みに遭ってひたすら翻弄されるばかりだった主人公が、やがて刑事魂を取り戻し、上層部の制止を振り切って誘拐事件の真相に迫っていく。刑事物としてはそこが見所になるんだけど、警察内部の内輪揉めと遺族の復讐ストーリーの強烈さ、重苦しさに押されてイマイチ熱くなれない。
あくまで私個人の好みの問題として、やたらゴタゴタ・ドロドロした描写をばっさり省いて、主人公の再生ストーリーにもっと力点を置き、そこに焦点を絞ってくれてたら、もしかすると2015年ナンバーワン作品に挙げるほどハマった可能性もあるだけに、残念です。
ドラマ版は前半しか観てないワケだけど、結末以外は映画版と大きな違いは無さそうなので、最後まで観ても感想は変わらないだろうと思います。ドラマ版の方が尺は長いですから、バランス的には映画版ほどゴタゴタ場面をしつこく感じないかも知れません。演出的にも、ドラマ版の記者たちは映画版ほどアホには見えませんでした。
最後まで観なくても、どうやら映画版よりドラマ版の方が優れてるのは明らか。ピエール瀧さんと新井浩文さんの演技がもう新作では観られない可能性も含めて、最初からドラマ版だけ通して観とけば良かったですw
ただ、何度も言うように好みの内容じゃない事には変わりなく、横山さんの小説がなぜそんなに人気なのか、私にはよく解りません。
セクシーショットはドラマ版『64』を彩る女優陣=山本美月さん、入山杏奈さん、木村佳乃さんです。
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