2024年秋シーズン、フジテレビ系列の「水曜22時枠」でスタートした、フジテレビ&共同テレビ制作、黒岩勉脚本による異色のミステリードラマ。
“神隠し” “あやかし” “狐憑き”などの仕業と云われ、超常現象として世間を騒がす不可解な事件を、内閣官房から直接要請を受けて解決に導く“全領域異常解決室”=通称「ゼンケツ」。
大和朝廷時代から存続してる世界最古の調査機関という設定で、アメリカの国防総省にはそういう組織が実在するそうです。
そんな「ゼンケツ」令和日本バージョンが、にわかに頻発してきた不可思議事件の数々を解決に導きながら、事件への関与を仄めかす謎の人物あるいは組織「蛭児 (ヒルコ) 」と対峙していきます。
超常現象の造詣が深く、刑事じゃないのに刑事以上の洞察力や行動力を持つゼンケツの室長代理=興玉 雅(おきたま みやび)に、 藤原竜也。
なぜか「素質がある」と見込まれ、警視庁音楽隊からゼンケツに出向させられて興玉のバディとなった警察官=雨野小夢(あまの こゆめ)に、広瀬アリス。
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いつも興玉に振り回されピンチに立たされてばかりで“素質”の片鱗も見られない小夢だけど、だからこそ実は凄い才能(たぶんヒルコに匹敵する霊力みたいなもの)を秘めてる匂いがします。
警視庁捜査一課のベテラン警部で、不本意ながら「ヒルコ専従班」の指揮並びにゼンケツへの全面協力を余儀なくされた荒波班長に、ユースケ・サンタマリア。
その部下で、やはりゼンケツを胡散臭く思ってる二宮警部補に、成海璃子。
内閣との橋渡し役で、どうやらヒルコとも繋がってるらしいゼンケツ局長の宇喜之に、小日向文世。
そしてヒルコと深い関わりがある謎の巫女、あるいはヒルコそのものかも知れない豊玉妃花(とよたま ひめか)に、福本莉子。
ほか、迫田孝也、柿澤勇人、中野剛といったレギュラーキャストに、吉村界人、志田未来、工藤美桜、林泰文、黒沢あすか、山口紗弥加、山田キヌヲ、神保悟志etcといったゲスト陣が絡んできます。(第3話まで)
SFやオカルトを取り入れた捜査ドラマは決して目新しくないし、下手すると陳腐なもんになりかねないけど、これはイイ線いってると思います。魅力的なキャストが揃ってるし、リアルとファンタジー、シリアスとユーモアのバランス、そのサジ加減にもセンスを感じます。
藤原竜也&広瀬アリスがバディを組んで超常現象の解明に挑む。それだけで少なくとも私はそそられるし、福山雅治&柴咲コウのアレや阿部寛&仲間由紀恵のソレも面白かったし。
ただしディーン・フジオカのソレはディーン・フジオカだけにアレだったんで、やっぱりコレはかなりハードルの高いジャンル。もうちょっと先まで観ないとジャッジは下せません。
と言うのも実は、ふだん私が判断基準にしてる“最初の2話”をうっかり観逃してしまい、今回は第3話のみの印象で書いてますm(_ _)m ちょうど『インディ・ジョーンズ/運命のダイヤル』と同じネタを扱ったエピソードなので、点数が甘くなっちゃってるかも?
まあ脚本が『ラストマン/全盲の捜査官』(’23) の黒岩勉さんですから、この先も空振り三振はまず無いでしょう。
☆最終回まで観た上での追記。
シリーズ中盤で、小梅や妃花も含めた「ゼンケツ」のメンバーたち全員が日本古来の「神様」であることが判明しましたw ヒルコの正体は消滅した筈のとある神の意志(とその能力)を受け継いだ人間であり、その目的は「日本の護り神を総入れ替えし、堕落した人間どもを粛清させる」という壮大なテロリズム。
つまり何千年もの時を生きる神々の闘いを描いたドラマであり、もはや刑事物の枠から完全にはみ出した番組。だからこそ先が読めなくて面白かったし、登場するキャラクター全員を活かしきった脚本と演出、それを見事に体現したキャスト陣もみんな素晴らしかった!
セクシーショットは広瀬アリスさん、成海璃子さん、福本莉子さんです。