やあ、日本のみんな。平凡な日々を満喫しているかい?
私も相変わらず、撮影日以外はワイオミングにある自宅の敷地内で乗馬を楽しんだり、暇つぶしに自家用セスナを飛ばして人命救助したりと、平凡な日々を過ごしているよ。
いや、正確には平凡な日々に“戻った”と言うべきかも知れないね。なにしろ昨年は、キミたちの国でベリーダンサーをやってる愛しのケイティと、何度となく熱い夜を過ごしたんだから。
もっとも、私とケイティは実際に身体を合わせたワケじゃない。彼女にはリスペクトに値するハズバンドがいるし、私には“世界で最も成功したムービースター”という立場があるからね。
とはいえ、ケイティとは実際に身体を合わせるよりもずっと濃密な夜を過ごせたと私は思っているし、彼女もそうだったと信じたい。
ハズバンドにだけはどうしても勝てないが、ナオキ・スギウラには負けた気がしない。私はヤツほど露骨にがっつかないし、ラブシーンもヤツより多くこなしているからね。
ところで本題だが、なんと、キミたちの国でケイティの私生活がドラマ化され、日本テレビ系列・毎週日曜夜10時半から「日曜ドラマ」枠で絶賛放映中だと言うじゃないか!
『運命のダイヤル』というサブタイトルがついた私の伝記映画公開と同じ年に、ケイティをモデルにしたドラマが創られるとはまさにディスティニーと言うほかない。
主演は……つまりケイティをモデルにした“田中さん”を演じているのは、私がこれまで高く評価してきたアクトレスの1人である、木南晴夏。
昼間は経理部の地味なワーキングウーマン、夜はレストランでベリーダンスを踊る超セクシーなベリーダンサーという、極端に違った2つの顔を晴夏はみごとに融合させ、元は芦原妃名子という漫画家によるコミックキャラだった“田中さん”に実在感を与えている。
そして、そんな“田中さん”に惹かれて自らもベリーダンスにハマっていく同僚女子の朱里(あかり)を、ファッションモデル出身の「めるる」こと生見愛瑠が演じている。
過去の作品と関連づけて語りたがるのは私の悪癖かも知れないが、橋本環奈の刑事物『トクメイ!』と同じように本作にも、多部未華子が主演した『これは経費で落ちません!』との共通点が多く見られる。
経理部で変人扱いされようが我が道をいくヒロインのキャラクターもそうだし、そんな彼女の魅力を周囲の人らが見出し、開花させていくストーリーもよく似ている。
それともう1本、ハリウッドでもリメイクされた周防正行監督の傑作映画『Shall we ダンス?』の影響も少なからず受けていると私は見た。
“田中さん”が会社で無意識に直角カーブを切ってしまう場面がその代表的な例。“めるる”が役所広司で、愛しのケイティが竹中直人というワケさ(笑)。
ちなみに私は『Shall we ダンス?』を日本映画の生涯ベスト10に入れるほど高く評価しているが、この『セクシー田中さん』も決して引けを取らないほど気に入っている。日本のスラングで言えば「ハマってる」というヤツだ。
もちろん、個人的に愛してしまったケイティがモデルなんだから気に入るに決まってるワケだが、それを抜きにしても“田中さん”というキャラクターは魅力に溢れている。
繰り返しになるが木南晴夏の演技も素晴らしいし、安田顕、毎熊克哉、川村壱馬といった男性アクターたちも実に良い味を出している。キャラクターがみんな活き活きしているドラマに「ハズレ」は無い。
ベリーダンスや打楽器のダラブッカといった、ケイティのブログ上でしか触れて来なかった文化をより深く知られるのも刺激的だ。
当然ながら、ケイティが踊る姿を直に見たいと思わずにいられない。そのときはケイティ、泊まってけよ。
……って、冗談めかして書いてるけど、私がこのドラマにハマってるのは事実だし、ご自身がブログで公表されてるから書いちゃうけど、同じgooブログ仲間で昼は事務員、夜はベリーダンサーと2つの顔をお持ちのKT-Jacksonさんは、実際に本名が“田中さん”なのです!
しかも、スマホの小さな画面で見る限りだけど、ホントにルックスが木南晴夏さんと似ておられる! 私とハリソン・フォード氏ほど瓜二つではないにせよ!
ちなみにドラマの“田中さん”のファーストネームは京子、つまりイニシャルまでKTさんと同じ!(原作者の芦原さんはマジでKTさんのショーを観てマンガの着想を得られたのかも?)
こんな数奇なことが起きるから人生ってヤツは面白い。KTさんと知り合えて本当に良かったです。ありがとう!