村の墓地のクヌギ林にはカラスが巣をつくっており、村の人が「月の命日」にお参りするとお供え物をねらって、墓にとまります。
きのうは、3羽のカラスが団子状にもつれて飛んでいました。どうなるか見ていたら、2羽が1羽を攻撃しています。3羽はもつれたまま道に落ち、草むらでまだ攻撃しているようです。
カラス同士の「いじめ」ではないか。事情はわからないけどやめさせよう。正義感と義侠心、それに野次馬根性も頭をもたげ、ぼくはクワを置き、カメラを持って100メートル先の現場に急ぎました。
ぼくが近づくのを意識して2羽は飛び立ち、1羽が草むらにうずくまっています。飛び立てないようです。
3メートルほどに近づいたとき、カラスは飛び立ちましたが低空飛行のままうちの畑に行き、イチゴのネットにぶつかって地面に伏せてしまいました。そこで畑に戻って様子を見ると、カラスは伏せたままです。
道子さんを呼んで二人で様子を見ていると、カラスは起き上がり、ネットに首を突っ込んでしきりに先に行こうとします。それがこの写真です。
「ネットをハサミで切って、助けてあげようよ」と道子さん。
カラスにはうちの畑はいろいろ被害にあってるし、素直に助ける気になれん。それにカラスを手で捕まえるのは気がすすまん。
内心ウジウジしていたら、道子さんはハサミをとりに行きました。
するとカラスはバックしてネットからはずれ、ジャガイモの畝のほうに隠れてしまいました。追いかける気はしません。道子さんが「上手に隠れてる。上から見てもわからんわ」といいます。そのうち自然治癒力で回復して飛べるようになるでしょう。
墓場のクヌギ林ではカラスがグジグジ鳴き交わしていましたが、ぼくらは仕事に戻りました。