こんばんは、彦Gです。
何とか、今週も仕事を終えることができました。ずっとパソコンで集中して目を使う仕事なので、非常に目や脳が疲労してしまいます。よって、朝夕の通勤電車内も、昼休憩も、爆睡しています。
さて、今年は、発明家(自ら権利化できる)にもチャレンジしてみたいと考えております。まずは、発明(特許)と考案(実用新案)のメリットとデメリットから整理しておきます。
◆代理人(特許事務所等)について、大切な事項の補足説明
なお、料金については、個人で出願する場合の必要最低の料金なので、特許事務所などの代理人を通しての出願は手数料などかなり費用がかかりますので(出願費用は40~50万程度、※1)、ご承知おきください。しかし、しっかりと権利をとってビジネスをしたい会社さん等は、プロの特許事務所(弁理士)を活用なさることを強く推奨いたします。理由は、素人がやると、せっかくの時間とおカネを使い(例えば、研究開発で、数年・数百万円以上)苦労して創ったアイデアが権利とならないばかりか、逆に、技術がオープン化され真似されたい放題となってしまい、「安物買いの銭失い」となり、非常にもったないことになる可能性が高くなりますので。ただし、私のように、発明歴30年、発明数(明細書作成含む)200、弁理士試験合格などの特許経験者(セミプロ?)は、十分、発明者単独出願も可能と思います。
※1:もっと安いところもありますが、事務所の経営の安定化を含めて、お客様への長期の品質の担保という意味では、その位が妥当ではと思っています。(今、特許事務所に勤務していますので、特にそう感じます。ここをコストダウンすれば、弁理士の給料が激減し、生活できなくなるため、特許事務所も、お客様も共倒れになりますので。)
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【知財権のメリット・デメリット】
1.知財権の最小限コスト(獲得と維持)
(*2)出典:特許庁HP~産業財産関係料金一般(←リンクあり)
1-1 特許権
(1)出願料 (必須) 14,000円
(2)審査請求料 (必須) 118,000円+4,000円/請求項
(3)登録料 (必須) 10,300円+900円/請求項:1~3年め
4年以降は金額アップ
(4)権利獲得直後までのコスト ~請求項数10のケース
=14,000+(118,000+4,000×10)+(10,300+900×10)×3=229,900円
1-2 実用新案権
(1)出願料 (必須) 14,000円
(2)技術評価請求料 (任意 ※3) 42,000円+1,000円/請求項
(3)登録料 (必須) 2,100円+100円/請求項:1~3年め
4年以降は金額アップ
(4)権利獲得直後までのコスト ~請求項数10のケース
=14,000+(2,100+100×10)×3=23,300円
※2 代理人の特許事務所等の費用は含みません。特許庁に提出する最小限コストです。
また、中小企業や個人事業者等は、減免(減額や免除)の対象となるので、それも活用されることを推奨します。
出典:特許庁HPの新減免制度
※3 権利行使 (警告、損害賠償・差止請求等の訴訟提起など)には、必須
2.メリット、デメリット(相違点)
2-1 特許権
(1)メリット
①権利期間が長い:出願から20年
②権利が安定(特許庁の審査を経ているから)
③権利が幅広い(ハードの他、ソフトウェア、化学物質・医薬品、方法の発明など)
(2)デメリット
①料金が高い(請求項数10だと、権利成立1年め迄に、229,900円)
②権利になりにくい(特許庁の審査で拒絶される可能性あり)
2-2 実用新案権 :上記特許権と逆 (1)メリット
①料金が安い (請求項数10だと、権利成立1年め迄に、23,300円)
②大部分、権利になる(未審査で登録される)
③一定の期間内であれば、強い権利の特許に変更できる
(2)デメリット
①権利期間が短い:出願から10年
②権利が不安定(技術評価書が無いと権利行使できない等)
③権利が狭い(物品の形状、構造又は組合せ、いわゆる簡単なハードのみ)
3.メリット、デメリット(共通点)
(1)メリット
①物権的・債権的価値(おカネになる)
特許権や実用新案権などの知財権は、差止請求権(売るな、作るな)などの物権的価値や、損害賠償権(カネを支払え)などの債権的価値を有しています。また、専用実施権や通常実施権などのライセンス提供をすることで、おカネに変えることもできます
②名誉権
明細書は特許庁で保管、公開され続きますので、発明者(考案者)として名誉権(後世に技術を残す財産)があります。
(2)デメリット
①ノウハウもオープン
明細書を書きすぎると、営業秘密やノウハウ等もオープンになってしまい、それらを誰もがマネできてしまいます(特許請求の範囲以外の記載部分)。
②一定の個人情報がオープン
発明者(考案者)が出願人の場合、その氏名と住所が公開されますので、それらの個人情報もオープンになります。その点は留意が必要ですね。ただ、識別番号登録で、住所は非公開にはなると思いますが。
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【考察】
1.まずはミニ発明の実用新案を選択
私のようなおカネに余裕が無い個人発明家(準備中)は、最初は、実用新案にチャレンジするのが、低コストかつ簡便で良さそうです。毎年、1件出願しても、年間3万円くらいの投資で済むからです(役に立ちそうもなければ、途中で放棄も可能)。
2.事前の調査が必須 (権利の価値を高めるために)
しかし、実用新案は未審査で権利になるとはいえ、しっかりと、発明家自身が調査(先行技術)をして、評価請求しても(されても)、肯定的評価 (新規性あり、進歩性あり)をゲットできるようにしたいものですね。否定的評価 (新規性無し、進歩性無し)を受けると、逆に他人がその技術を使いたい放題となってしまい、金銭的価値が低くなってしまいますので。
3.自然とおカネが入ってくる楽しい生活
良い発明をたくさんして、自分で事業化またはライセンス提供で儲けることで発明の対価を獲得できれば、おカネが自然と入ってくるような生活ができるかもしれません。そうすると、そのおカネでまた、新たな社会貢献活動に活用するという良い循環ができるかもしれません。
4.日本の明るい未来のために
発明って、宝くじなどに比べて、確率が高く、しかも、社会に新たな付加価値を提供できる、とてもアトラクテイブな投資ではないでしょうか? 技術に自信がある方々や、新しいことを考えることが好きな方々は、ぜひ、発明にチャレンジされてみてはいかがでしょうか? そうすると、日本のGDPもまた上昇してきて、日本の未来は明るくなってきそうですので。