あたりを払って誇り高く咲くキレンゲショウマ。「私はこの花に会うため、お山さんに来たのではないか」…
宮尾登美子氏の小説は好きで何冊か読みましたが、いつも私を裏切らず、深い感動を与えてくれます。剣山を舞台にした小説『天涯の花』も本当にいい作品でした!
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剣山
四国・吉野川沿いの養護施設で育った珠子は、十五歳で霊峰・剣山にある神社の神官の養女となる…。清澄な自然を背景に、無垢な魂を持ち続ける少女の成長と恋を描いた長編小説です。山の厳しくも美しい自然、心優しき人々との出会い、そして初恋。少女の生の輝きを情感豊かに描いています。
今回も読み出しからぐいぐい惹かれ、一気に読んでしまいました。読み終わった後に残る暖かい余韻。本を閉じてからも続いていく物語がとても幸せな気持ちにさせてくれます。書かないことでよりドラマチックになるというこの結末…さすがですね!
物語に描かれている背景は先日登った剣山。
いろんな場面が鮮明に頭に浮かんできました。そうあの神社が珠子が暮らした家、あれが頂上の測候所、山小屋は…歩いた山道は…
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物語の舞台となった剣山の案内図 ピンクの線が物語の登山道
奥深い山の中腹にある神社というので、下山途中で見たあの神社だと思っていましたが、実際はリフト乗り場(見ノ越)脇の神社だったのです。当時は見ノ越までの自動車道がなく貞光から川又まで一日1・2本しかないというバスで約3時間。川又から見ノ越まで4~5時間も歩かなければ行けなかったところなのですね~。現在国道438号線が開通し便利になりましたが、それでも遠いです。
珠子が初めて剣山の神社に来た日、父になる国太郎と山中で見た美しい大小の池はこの道沿いにあるようですが、車道からは見えませんでした。
珠子たちが頂上まで登ったという山道は話の内容からみると大剣道コースのようで、私たちが通った二つの登山道ではなくて…ちょっと残念。また物語のタイトルにもなった『天涯の花・キレンゲショウマ』は花のシーズンにはちょっと早く、群生地は危険だと言われる行者道の近くにあるので、添乗員さんからくれぐれも行かないようにとダメ押しされていました。
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赤い線が私がバスで通った道、青い線が珠子たちが通ったバス道、○付近が終点川又、黄色い線が川又から見ノ越まで歩いた山道と思われる。
剣山は道路・リフト・登山道も整備され、私のような素人でも登れる山になりましたが、まだまだ素朴さが残っていて、魅力的な山です。
次回はぜひ、キレンゲショウマの咲く時期に小説の主人公「珠子」の足跡を探しながらゆっくりと散策したいと思っています。出来れば山小屋に泊まり、星空も眺めてみたいなぁ~
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世界的な希産植物 キレンゲショウマ
それにしても、作者の宮尾登美子氏、見ノ越までは車で行ったそうですが、頂上までは登っておらず、もちろん実物のキレンゲショウマも見ていないそうです。それにもかかわらず、こんなにリアリティーに富んだ情景が描かれているなんて…ほんと、凄い作家ですね!
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訪問ありがとうございます。
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宮尾登美子氏の小説は好きで何冊か読みましたが、いつも私を裏切らず、深い感動を与えてくれます。剣山を舞台にした小説『天涯の花』も本当にいい作品でした!
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剣山
四国・吉野川沿いの養護施設で育った珠子は、十五歳で霊峰・剣山にある神社の神官の養女となる…。清澄な自然を背景に、無垢な魂を持ち続ける少女の成長と恋を描いた長編小説です。山の厳しくも美しい自然、心優しき人々との出会い、そして初恋。少女の生の輝きを情感豊かに描いています。
今回も読み出しからぐいぐい惹かれ、一気に読んでしまいました。読み終わった後に残る暖かい余韻。本を閉じてからも続いていく物語がとても幸せな気持ちにさせてくれます。書かないことでよりドラマチックになるというこの結末…さすがですね!
物語に描かれている背景は先日登った剣山。
いろんな場面が鮮明に頭に浮かんできました。そうあの神社が珠子が暮らした家、あれが頂上の測候所、山小屋は…歩いた山道は…
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物語の舞台となった剣山の案内図 ピンクの線が物語の登山道
奥深い山の中腹にある神社というので、下山途中で見たあの神社だと思っていましたが、実際はリフト乗り場(見ノ越)脇の神社だったのです。当時は見ノ越までの自動車道がなく貞光から川又まで一日1・2本しかないというバスで約3時間。川又から見ノ越まで4~5時間も歩かなければ行けなかったところなのですね~。現在国道438号線が開通し便利になりましたが、それでも遠いです。
珠子が初めて剣山の神社に来た日、父になる国太郎と山中で見た美しい大小の池はこの道沿いにあるようですが、車道からは見えませんでした。
珠子たちが頂上まで登ったという山道は話の内容からみると大剣道コースのようで、私たちが通った二つの登山道ではなくて…ちょっと残念。また物語のタイトルにもなった『天涯の花・キレンゲショウマ』は花のシーズンにはちょっと早く、群生地は危険だと言われる行者道の近くにあるので、添乗員さんからくれぐれも行かないようにとダメ押しされていました。
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赤い線が私がバスで通った道、青い線が珠子たちが通ったバス道、○付近が終点川又、黄色い線が川又から見ノ越まで歩いた山道と思われる。
剣山は道路・リフト・登山道も整備され、私のような素人でも登れる山になりましたが、まだまだ素朴さが残っていて、魅力的な山です。
次回はぜひ、キレンゲショウマの咲く時期に小説の主人公「珠子」の足跡を探しながらゆっくりと散策したいと思っています。出来れば山小屋に泊まり、星空も眺めてみたいなぁ~
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世界的な希産植物 キレンゲショウマ
それにしても、作者の宮尾登美子氏、見ノ越までは車で行ったそうですが、頂上までは登っておらず、もちろん実物のキレンゲショウマも見ていないそうです。それにもかかわらず、こんなにリアリティーに富んだ情景が描かれているなんて…ほんと、凄い作家ですね!
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