hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

Sarah's Key

2012年06月20日 | 洋書
 

 正直なところ好きじゃありませんでした。
 前半は round-upの時のサラとその家族の物語とジャーナリストのジュリアがどんどん事件について調べていく二つのストーリーが交互に展開され、どちらもとても興味深かいものでした。続きが気になって気になって公共機関でもお構いなしに泣きながら読んでしまったくらい。ところが後半が全く・・・・・
 理由は明確。
 主人公のジュリアの性格がどうもすごく苦手。独善的で無神経だと思いました。
 私はやっぱりジャーナリストが主人公の作品は好みじゃないかもしれませんね。ヘンリエッタの時も感じましたが、自分の行動や意見を事実や状況をツイストして正当化する面があるような気がします。
 主人公をアメリカ人にしてこの性格にすることが、もしかしてフランス風のサーカズムなのかとも考えましたが、どうもそういうことでもなく・・・・・う~ん・・・・
 
 この作家も本業はジャーナリストなわりには、言葉の豊かさに欠け表現がつまんないと思いました。「衝撃的なできごと」中心のストーリー展開の時はともかくとして、そうでない部分の文章に力強さや惹きつけ力が足りないとも思いました。
 この先もどこかからショッキングな題材を探して派手なプロットを作り出していかなければどうなのかな。そういう意味では上手くいけば My sister's keeper の作家 Jodi Picoult 路線でいけるかもしれないですね。

 6 out of 10 アイディは良いけれど、ヒロイズムとご都合主義が気になったということで

 それでもまだ映画も是非観たいと思います。きっとそっちの方がいいんじゃないのかなー
 ちなみに最後に旦那さんが年上の愛人と一緒になったことにホッとしました。

 さて、次はこちら。
 
 本日遠くの図書館まではるばる出かけて入手しました。
 この本を一日1、2話ずつと、意地で投げられない読みかけの洋書一冊(お風呂場でブヨブヨ状態)と、いつでもどんな時でも読めるような気がして途中になっている児童書一冊の3作品の並行読みで6月中を過ごす予定。
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