早くも読了です。
もう、どっぷりはまりました。
「子供を育てるには最高な街」として、子供を持つ家庭に人気の地ニュートン。
平和な街に突然衝撃的なニュースが走る。 市民の憩いの場とされる公園内で14歳の少年が刺殺されたのだった。
警察と共に捜査に乗り出した検察官のアンディには被害者とクラスメートの息子がいた。被害者の父親や他の保護者の期待を背負って、仕事に打ち込んでいたある日、息子のジェイコブが容疑者として逮捕されることに。
ジェイコブは被害者のベンにいじめを受けていた。
ジェイコブは本当に犯人なのだろうか。
息子の無罪を信じるアンディの一人称で語られる物語です。ここで私が興味を持った点は客観的な視点によるシーンが故意に描かれていないことです。この手の内容で必ずある近所の反応、マスコミの反応に対してかなり省いてあります。それから 後半は母親の視線で描かれるものと思っていたのですが、それすら省いて徹底的に父親の一人称になっています。
特に新しい題材ではないのですが、読みながらかなり揺さぶられます。生きている限り何度でも考えさせられる Nature or Nurture 問題が核となっています。
偏見と差別に満ちた社会の構図にイライラしたり悲しくなったり憤ったり諦めたり。そんな普段の生活でいつでも向かい合っている感情を、作品を読んでいる間に一気に感じさせられたり考えさせられたり。
母親の言動に What are you doing?! Oh, no, don't mess up! You're not helping! How could you?! なんて心の中で叫びながらも自分も彼女と同じ言動をするのではという思いが拭いきれなかったり。とにかく最後の最後までどっぶり入り込んで抜けられませんでした。
9 out of 10 プロットが面白いですが、言葉の紡ぎ方に魅力があるわけではないので一点減点です。
私は聴きやすいオーディオと kindle book で読みました。
オーディオはアメリカ英語に慣れていない私も全く問題なく聴きとれる落ち着いたハンサムな感じの声でした。
作品全体の英語に関してはけして簡単とは言えませんが、特に難しいわけでもありません。
裁判のシーンは簡単で分かりやすいところとかなり難しいところの両方があります。それから子供の心理テストの結果を話すシーンの英語が少し難しいかもしれません。ただとても興味深いことには違いありません。
Goodread というサイトのディスカッションを覗いてちょっとビックリしました。
私は、結論はかなり明らかになったし、物語の終わり方もあれしかなかったと思ったのですが、そんな風にとらえられていないのが大多数でした。
これだから読書って面白いんですよね。
やはり以前挫折した We need to talk about Kevin も読みたい。今年中にはもう一度手にとってみようかな。
この本を私のように楽しんだ方へのお薦めする作品は、Jodi Picoult の Perfect Match です。こちらの作品に比べると Defending Jacob はまだ生ぬるい感じがします。怖いもの見たさ?t的な欲求に抗えない方はぜひ挑戦してみてください。