I hate autumn.
何をいきなり?今イースターシーズンなんでしょ?ミスプリントかな?
The day had started out suitably dour for a Good Friday but had suddenly changed its mind and decided to twirl about and show off its autumn colours after all.
しばらくしてまた出てくる・・・・・・なんなの一体?
あー!! そうだった、そうだった。
オーストラリアを舞台にした作品です。なので秋にイースターがあるんですね。
忘れていた・・・・でもイメージも湧かないかも。だってイースター=ひよこ、うさぎ、チョコレート、ダフォデイルがセットになって頭の中にあるから・・・・
三人の女性が主人公です。
セシリアはスーパーマム。ビジネスで成功していて、学校ではみんなから頼りにされるPTAで大活躍、家もいつでもモデルハウスのように綺麗に整えています。
ある日、屋根裏で夫の書いた自分宛ての手紙を見つけます。「私が亡くなった時に読んで下さい」と添え書きがあります。
その手紙を読んでしまった日から、街のみんなが羨むハッピーファミリーではいられなくなります。
セシリアの子供たちの通うカソリックスクールのレセプショニストをしている年配のレイチェルは、26年前に娘を殺害されたのだが、未だに犯人は捕まっていない。事件が解決しない限り現在を生きることができず、娘との過去の想い出に浸り、娘が最後に会っていたとされる男性を犯人に違いないと疑い続けている。
唯一の楽しみは息子夫婦のもとにいる孫のジェイコブとの日々。ところが息子の家族はニューヨークに数年暮らすことになる。
テスは幼い頃からいつも一緒にいるいとこのフェリシティと夫の三人で広告代理店を経営しているが、ある日この二人から「恋に落ちてしまった」と打ち明けられる。浮気をしてしまった、過ちを犯してしまった、ではなく、fell in love だなんて!
その上、どういうつもりなのか、今後は「三人で暮らそう」と提案される。向こう二人がカップルとしてで、テスは子供の母親として、ですよ。なんてこと!
最も信頼していた二人に裏切られた彼女は絶望的な気持ちになり、子供を連れて母親の住む地元へ帰ってくる。
この三人が同じ町の中で一定の距離を保ちながら絡んでいきます。
面白かったです。笑いあり、涙あり。出だしはコメディドラマのような感じで、後半にはグッと落ち着いていきます。
特に心情描写が優れていると思いました。難しいことを言うわけでもなく格好いい言い回しもありません。ただただひたすら主人公3人の正直な気持ちが丁寧に書き込まれています。そこにユーモアがありウィットに富んでいるため、楽しく読み進められます。
感想というよりは、気になった個所を抜き出しておくことにします。
セシリアの義理の母親がこう言います。
Your family comes first. Your husband and your daughters. They come first.
I don't need to tell you this, do I? You're a mother. You'd do anything for your children, just like I'd do anything for mine.
これは「他人のことより」ということなのか、母親は(妻は)自分を犠牲にして、という意味なのかちょっと明確ではなかったのですが、シチュエーションによっては義理の母親からこんなことを言われたら背筋がヒヤッとしそうですね(笑)
その後セシリアがある決意をするところの描写がこうです。
Cecilia F, who always volunteered first, who never sat quietly when something needed to be done, who gave up her time to help someone, who knew the difference between right and wrong, was prepared to look the other way. She could and she would allow another mother to suffer.
Her goodness had limits. She could have easily gone her whole life without knowing those limits, but now she knew exactly where they lay.
ここが一番印象的でした。
8 out of 10
同じくページターナーだったオーストラリアを舞台にした作品「The Light between oceans」を読んだときは、主人公女性に一瞬たりとも共感することができなかったのが、今回は3人ともにたっぷり共感できてしまいました。そのことも読み心地よさの大きな理由でしょう。
それにしても「女性って扱いに気をつけないと・・・・・」と今更ながら思ってしまいましたよ・・・・