『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  81

2007-07-02 08:02:42 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 部屋の気は、張り詰めている。アガメムノンは、話し合いの口火を切った。
 ㋐『オデッセウスにメネラオス。両人、このたびのトロイの調査の件、本当にご苦労であった。改めて、礼を言う。先ず、海峡の通航料の件はどうであった。』
 ㋔『交渉は、決裂である。その上、船が襲われ、船にいた者、全員が殺戮された。また、我々二人も亡き者にされようとしたことだ。』
 ㋐『財宝等は、どうであった。トロイと戦い、勝利した場合、戦利として充分と思われるか。そして、軍事力はどのようだ。』
 ㋱『財宝等は、戦利として充分と思える。軍事力については、我々の敵ではない。』
 ㋐『トロイと周辺諸国の関係は、どのようだ。』
 ㋱『周辺諸国とは、仲が悪くはないようだ。軍事力、交戦技術、戦意等は我々以上ではない。トロイを含めて、彼等と戦っても我々が勝つ。これは、 間違いない。』
 ㋐『判った。他に何かあるか。』
 ㋱『俺の留守中に起きたヘレンの事件だ。トロイをこのままに、しておけない。トロイを草木一本に至るまで焼き尽くし、消滅させる。そして、皆殺しにする。』
 ㋢『ここに至っては、トロイをこのまま、ほっておくことは出来ない。トロイを討とう。』
 ㋐『よく判った。早い時期にトロイを、殲滅する。そのための、ポリスの連合会議を直ぐに招集する。皆、いいな。』
 アガメムノンは、自分の意志でもあるトロイ攻略の実現に向かったのである