『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第2章  ポリス連合軍トロイへ  5

2007-07-19 08:15:45 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 軍事計画会議で決したことを、各領主に伝える使者は、その日のうちに各地に向けて、ミュケナイを出発した。
 そのあて先の中には、アキレスの父、ペレス領主への使者もいた。その使者には、オデッセウスからの特別の口上もことづけられていた。
 出航を三月初めとしたのは、この地方に、二月の中旬頃からの地中海を越えて吹く、南風の日が多くなること、それとともに、天候が安定し始める頃となる。しかし、三月初めといえば、冬の名残りの荒れた日も予想しなければならないことが気がかりであった。
 アガメムノンからの指令を受け取った各領主は、忙しくなってきた。トロイ攻略の戦備を整えるとともに、ポリス城市内の貴族、有力者を集めて、戦利品等の分け前の提案で、資金集めを行い、農夫、漁師、職人、商人等、市民皆兵で兵集めて動員したのである。