『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第1章  二つの引き金  85

2007-07-06 07:45:18 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 二人は、浜に着いた。エウロタス河河口の右の浜である。漕ぎ手18人の小型の軍船が海上にあった。メネラオスは、念入りにチエックした。その上で、二人の従者と漕ぎ手の者たちに指示を与えた。この船の漕ぎ手は、奴隷ではなく、スパルタの戦士たちであった。
 湾内の風は、海風である。操船に関する指示は、湾を出るまでは漕走でいき、湾を脱したときの風の状態によって、帆走にするように指示した。そののちにぺロポネソス半島の西岸を北上し、ピュロスまで2日~3日、ピュロスからイタケへ3日~4日、途中風待ち日をいれて、約10日でイタケに到着する予定である。しかし、天候、風ぐあいが良好であれば、5日ぐらいの航海でイタケに着けると考えられる。
 船上の人となったオデッセウスは手を振った。船は、櫂でかき漕がれて進んだ。 オデッセウスは、また、波に揺られての帰路であった。
 メネラオスは、身を危機にさらした半年余りのずっしり重い肩の荷をおろしたのである。