『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第9章  戦闘再開  28

2008-01-14 10:13:25 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 五番隊を率いているサルペドンは、自軍団のリキュウア軍団とトロイ軍の混成軍団であった。副将にはデオメデスと対峙したグローコス、そして、トロイの知将として誉れ高いアステロバロスであった。グローコスは、領主サルペドンの信頼が厚かった。
 五番隊は、三番隊のアシオスが倒された三番ゲートの右サイドに防衛柵の弱い箇所のあることに気がついた。軍団は、ここぞとばかりに兵を励まして、攻撃を集中した。彼等は、攻城戦に優れていた。連合軍は、ゲート脇の櫓の上から、アイアースの弟チュウクロスの指揮する弓隊の連射攻撃を通常の楯より二まわりも大きい楯で飛び来る矢を防ぎながら、血路を開いて、防衛柵を破り、敵陣内に討ち入った。
 防衛柵の向こう側は、波うちが迫り、軍船が浜に引き上げられた狭い船陣領域であった。トロイ軍の突入により、剣撃の戦場と化した。