『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第9章  戦闘再開  34

2008-01-21 07:49:29 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『メネラオス、イドメニス、アンチロコスの軍団は、何をしていたのだ。これでは、船陣のことを考えた備えをしなければいかんな。何としても最悪を避けねばならない。』
 アガメムノンは、万全を期すための案について話した。
 これを聞いていたオデッセウスは、激しく反論した。
 『何を言われるか、アガメムノン!気でも狂われたか。統領でミュケナイの王権を持っている人ともあろう人が。俺の軍団の将兵は最後の一人が死ぬまで闘う覚悟が出来ている。今日の今日までしのんできた辛苦がどれほどのものか、判っているのか、アガメムノン!だまられよ!今、言った案など、いいわけがないだろうが。この激戦の真っ最中に、軍船を海におろす、それこそ敵の思うつぼだ。軍団の兵たちは戦わずして皆逃げ出してしまう。とんだわざわいにつながる。俺は、絶対に反対だ!今は、敵を攻めて、攻めてまくり、攻撃こそ最大の防衛と、俺は、考えている。今は、そのときである。心されよ!アガメムノン。』