『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第9章  戦闘再開  37

2008-01-24 08:25:03 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 その頃、アキレスの陣営では、パトロクロスは、アキレスに話し続けていた。心が、感情が昂ぶってくる、抑えがきかない、一語一語、昂奮のゆえに吐く言葉が激越になっていく。パトロクロスの目は血走っていた。聞いていたアキレスは、短く言い放った。
 『それは、奴等の愚かさゆえだ。』
 『愚かさのせいではない。アキレス、君を侮辱した男も自分のしたことを悔いているのだ。』
 パトロクロスの胸中に、ネストルの言った言葉がとぐろを巻いていた。
 『君が戦いに戻らないのなら、君の鎧や楯、武具一式と戦車を貸して欲しい。そして、将兵も貸して欲しい、俺にゆだねてくれ。兵数は、三分の一の1500人でいい。敵の錯覚を誘い、戦いの流れを変える。』
 パトロクロスは、強く言い切った。