『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第9章  戦闘再開  31

2008-01-17 08:38:13 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 大石の直撃を左の喉もとにうけたヘクトルはたじろいだ。双眸に闇が訪れる。大石を抱いたまま大地に倒れていった。総大将のヘクトルが倒れる。思ってもみない事態であった。トロイ軍の危急存亡のである。走り寄った将兵たちは、前後左右を擁護して退きさがっていった。
 もう一人のアイアースは、サルペドンを防衛柵の外へと押している。グローコスの支えのない五番隊は、もろさを露呈して、アイアースの一隊に押し下げられた。
 アイアースの軍団は、軍船の焼失、多数の戦死者を出したが、どうにか、トロイの軍団を防衛柵の外へ押し下げ、壊滅の危機から逃れることが出来た。
 アエネアス、デイポポス、メリオネス、パリス等の率いる二番隊、四番隊は、メネラオス、イドメニス、アンチロコス等の率いる連合軍の軍団をひきつけて、濠の中を右往左往しながら激しく戦い、牽制していたのである。