『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第10章  アキレスとヘクトル  33

2008-03-07 07:55:20 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 『老王よ、ヘクトルの葬儀を営む、その日数はどれくらい見ておられる。葬儀が終わるまで、休戦にしようと思うが、どうかな。』 アキレスは、プリアモスに訊ねた。
 『アキレスよ、そのような心配りいたただければ、私はとてもうれしい。9日間、城中にて哀悼を尽くす。10日目に彼の葬儀を行う、11日目に墓を築く。1日をおいて、13日目に戦う必要があれば、そこで戦端を開こう。如何がかな。』
 『プリアモス王、この期間、戦いの方は、休戦といたそう。それでいいな!』
 『そのようにして、頂けばありがたい。私は、何も言うことはない。宜しく頼みます。』
 プリアモスは、感謝の念をこめて言葉を結んだ。
 プリアモスと従者は、アキレスの整えてくれた寝所で身体を休めた。まどろんだ。プリアモスの目を夢が覚まさせた。
 『目を覚ませ!目を覚ますのだ、プリアモス!起きろ!アキレスに許されて、敵の陣中に眠る。ここを何処だと思っているのだ。アガメムノンが統べる軍の中だぞ。知れたらどうするのだ。莫大な賠償、お前の命もあるか、どうか判ったものではない。』
 プリアモスは、とび起きた。