『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第11章  権謀術数  6

2008-03-22 08:56:56 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 今日の戦いは、まさに戦端を開いて間もない頃のような、両軍が互いにすくみの状態に構えての様相を呈していた。そして、三日が過ぎた。
 連合軍の兵が、風にのってくるトロイ城市からのざわめきを耳にした。トロイ市民は、今、到着した援軍を喊声をあげて歓迎していた。プリアモスをはじめアエネアスは、胸をなでおろして安堵した。明後日には、メムノンが率いる軍団もトロイに到着することになっている。今日、到着したのは、アマゾン族の一軍であった。この軍団を統率しているのは、族長であり、女王でもあるペンテシレアであった。
彼女は、7000人余りの女性兵で構成された軍団を率いてきたのである。女性兵たちには、右の乳房がない、武器を執って闘うために取り除いているのである。まさに戦う女賊軍団なのであった。
 女王ペンテシレアと軍団は、歓迎の一夜を過ごした。
 アエネアスは、戦野での交戦を急がなかった。メムノンの軍団が到着して、作戦を打ち合わせたうえ、万全を期して、連合軍との交戦に挑むことにした。