『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第11章  権謀術数  1

2008-03-17 08:36:39 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 オデッセウスの頭は、冷たく冴えわたった。これまでの戦いの場面を次から次と思い起こしていた。そして、作戦の展開とその結果をイメージして考えた。もたらされた情報によると、ヘクトルなきあとのトロイは、このたびの激戦の損害が大きく、兵員補充の援軍要請がままならず、兵力が激減して、開戦時の半数に及ばない状態であるらしいこと、そして、アエネアスが軍団を統率していることが判った。
とにかく、敵を分析、比較、検討、作戦計画の立案までの作業を進めた。
 連合軍が勝利する事が命題である。一に比較分析、二に戦略、三に作戦計画の実行、四に勝利か、五にそれでもトロイが破れなっかたら、六にそのときはと考えた。それには、勝利を確実にするための謀略を練ることにした。
 オデッセウスは、この時代の神託参謀システムによる戦闘では、勝利を確実にすることは出来ないと思っていた。純然たる力のバランスと集団の総合戦闘能力の優劣が、その結果を左右するということが判っていた。