トリタスは、肩を抱かれながら顔をしかめた。
『パリヌルス、お前は、無事だったのか、良かった。それにしても、お前は、血なまぐさい。この十日間、大変だったのだぞ。軍団長のこと、どう呼べばいいのかのう。パリヌルス、話をつないでくれ。積もる話がある、宜しく頼む。』
『おう。判った。』
『統領。この者たちは、このエノスの浜を取り締まっている浜頭です。この十日間でのこの地の変わりようについて、話したいそうです、聞いてやってくださいませんか。それはそうと、話し合いに入る前に、皆に海で身体を洗わせてください。統領も一緒にどうぞ。あ~あ、それから、浜頭三人が言っているのですが、祝勝の宴を催したいと言っています。以上です。』
パリヌルスの、この一言で軍団の者たちが、こぞって波の荒い海で身体を洗った。パリヌルスには、しなければならないことが山ほどある。各隊長、兵らに声をかけて、各船を浜に引き上げる作業に取り掛かった。
兵のひとりが大声をあげた。
『あれを、見ろっ!』
兵の指差す、暮れ行く薄闇の彼方に目を向けた。
『パリヌルス、お前は、無事だったのか、良かった。それにしても、お前は、血なまぐさい。この十日間、大変だったのだぞ。軍団長のこと、どう呼べばいいのかのう。パリヌルス、話をつないでくれ。積もる話がある、宜しく頼む。』
『おう。判った。』
『統領。この者たちは、このエノスの浜を取り締まっている浜頭です。この十日間でのこの地の変わりようについて、話したいそうです、聞いてやってくださいませんか。それはそうと、話し合いに入る前に、皆に海で身体を洗わせてください。統領も一緒にどうぞ。あ~あ、それから、浜頭三人が言っているのですが、祝勝の宴を催したいと言っています。以上です。』
パリヌルスの、この一言で軍団の者たちが、こぞって波の荒い海で身体を洗った。パリヌルスには、しなければならないことが山ほどある。各隊長、兵らに声をかけて、各船を浜に引き上げる作業に取り掛かった。
兵のひとりが大声をあげた。
『あれを、見ろっ!』
兵の指差す、暮れ行く薄闇の彼方に目を向けた。
