『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1068

2017-07-05 07:46:21 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 議題が次に移っていく、現在、着手している戦闘艇2艇の建造の件である。これについては、パリヌルスが報告する。
 『今、着手した戦闘艇の建造は、レテムノン新艇納入航海における実験航海を行った結果により、艇体の構造構想を終え、衝角構造体を初期の構造ではなく、新しい構造にて戦闘艇の艇体を造ります。また、新構造の舵が操船時に、いい性能効果を発揮することがわかりましたので、その構造で艇尾に造作して装備します。建造期間については予定通り出来あがると考えています』
 彼は言葉を切り、一同と目を合わせる。
 『そのような状態で進捗しています。艇体構造の重要な構造体である新しい衝角構造体の用材を明日にでもオキテス隊長に調達かたを依頼する予定にしております。以上です』
 軍団長が質問してくる。
 『パリヌルス隊長、戦闘艇の出来上がりだが、計画通りに行くわけだな?』
 『はい、戦闘艇の完成が早まることがあっても遅れることはありません』
 『よし!了解した』
 パリヌルスが一同に言葉をかける。
 『この案件について、ここを聞いておきたいと考えられることがあれば、聞いていただきたい』
 統領が問いかけてくる。
 『艇体がヘルメス艇より長くできている戦闘艇である。艇体の強度が気にかかる。この件について充分に構造を考えたのであろうな?』
 『はい、充分に考えました。そのようなわけでレテムノンへの納入航海に試験的に試作艇を就航させました。オキテス隊長、ギアス艇長に試乗の状況について聴きとり、充分に検討チエックしました』
 『オキテス、乗ってみて状況、具合はどうであった?』
 『はい、艇体構造が海の状況、状態に対して、どのように関係するかをパリヌルスから聞いていました。その点について充分に留意しての試乗でした。彼が考えて造作された艇体の構造で充分であろうと判断しています』
 『解った。了解した。パリヌルス、ゴーサインだ!いい船を造ってくれ』
 『ありがとうございます。力を尽くします』
 統領が一同に話しかける。
 『おう、パリヌルス、最後の案件だが、チョッピリ早いが昼めしを食べながらやらないか。緊張していては思考、話に花が咲きにくい!頭の中に嵐を吹かせて、思いつきを一同で話し合ってみないか』
 イリオネスがオロンテスに声をかける。
 『オロンテス、申し訳ないが、昼めしの件よろしく頼む。ぶどう酒を少し多めにな』
 『解りました。パン工房まで行ってきます』
 『オロンテス、世話をかける。俺も行く、手伝う』
 『おう、手伝ってくれるか、ありがとう。工房の者が準備してくれていると思う』
 二人はパン工房へと足を運んだ。