パリヌルスは祝宴の風景の中にいる。飲めや、食べろやの集いの島を巡って歩く。
彼は、隣り合わせた者に話しかける。
『飲んで食べているかな?味の方はどうだ?宴っていいものだな』
『隊長もそう思われますか?私は、いつもそう思って宴の中にいます』
『話をする、話を聞く、いいものだ!感無量というところかな。俺にとって、このような話し合い、語り合いがめずらしいのだな』
『宴の中にいると孤独が侵入してこない。俺がいる、奴がいる、もう一人の奴もいる』
『話をする、話を聞く、それで心が紡がれていく。絆ができていく』
『話す相手が持っているもの、自分はそれを持っていない。相手の持っているものを共有する。それが喜びでもあります。たまに、持ちたくない荷物もありますが。隊長、酒杯を手にしてください。酒を注ぎます』
『おう、ありがとう』
『お前も杯の酒を飲みほせ!俺が注ぐ!』
『ありがとうございます』
二人は注ぎ合って酒を口に運ぶ。そこに一人が加わり、また一人が加わる。ギアスが顔を見せる。
『おう、ギアス、よう来た。お前もそこに座れ!』
『はい!』
『ギアス、海戦の話を聞かせろ!』
ギアスが海戦の話をし始める。周りの者らは酒を飲むのも忘れてギアスの話に聞き入る。気づいた時には、20人余りがギアスの話に耳を傾けている。
パリヌルスが周りにいる一同に酒を注いでやる、焼けた肴を手渡してやる。
『わあ~、隊長!馳走になります』
『おう、気にするな。飲んで食べてギアスの話を聴け!今している話は、俺に報告していない話だ、まさに武勇談というところだ』
『ギアス艇長のとっておきの海戦談義ですか』
集まっている者らの数が増えている、聴衆といえる、海戦の勇者の話に耳を傾けている。
飲むほどに、酔うほどに、彼らはギアスの話に心酔している。
祝宴の各所に人が集っている。
オキテスも場にできている人の集いの中にいる。海戦を戦った者の一人を呼んで話を語らせている。
あちこちにある人の集いが歓声をあげる、その都度、杯の酒を飲みほしている。
統領と軍団長は、スダヌス浜頭の語り口に心を酔わせている。
彼らが楽しんだ祝勝の宴が終宴の時に到ろうとしている。小島の連中が引きあげていく、彼らを見送る、また飲み始める、勝利した海戦談義を語らせる、その語りに酔う、羨望を心に湧かせる、海戦に参加している気分になる、祝宴は人間模様を描きながら幕を閉じようとしている、一人去り、また、一人去りと場に集った者らが去っていく。
セレストスらが場の後始末にとりかかる、酔いつぶれた者の始末もする。
彼らが見あげる夜空には、夏盛りの月が澄んだ風情で光を投げ落としていた。
彼は、隣り合わせた者に話しかける。
『飲んで食べているかな?味の方はどうだ?宴っていいものだな』
『隊長もそう思われますか?私は、いつもそう思って宴の中にいます』
『話をする、話を聞く、いいものだ!感無量というところかな。俺にとって、このような話し合い、語り合いがめずらしいのだな』
『宴の中にいると孤独が侵入してこない。俺がいる、奴がいる、もう一人の奴もいる』
『話をする、話を聞く、それで心が紡がれていく。絆ができていく』
『話す相手が持っているもの、自分はそれを持っていない。相手の持っているものを共有する。それが喜びでもあります。たまに、持ちたくない荷物もありますが。隊長、酒杯を手にしてください。酒を注ぎます』
『おう、ありがとう』
『お前も杯の酒を飲みほせ!俺が注ぐ!』
『ありがとうございます』
二人は注ぎ合って酒を口に運ぶ。そこに一人が加わり、また一人が加わる。ギアスが顔を見せる。
『おう、ギアス、よう来た。お前もそこに座れ!』
『はい!』
『ギアス、海戦の話を聞かせろ!』
ギアスが海戦の話をし始める。周りの者らは酒を飲むのも忘れてギアスの話に聞き入る。気づいた時には、20人余りがギアスの話に耳を傾けている。
パリヌルスが周りにいる一同に酒を注いでやる、焼けた肴を手渡してやる。
『わあ~、隊長!馳走になります』
『おう、気にするな。飲んで食べてギアスの話を聴け!今している話は、俺に報告していない話だ、まさに武勇談というところだ』
『ギアス艇長のとっておきの海戦談義ですか』
集まっている者らの数が増えている、聴衆といえる、海戦の勇者の話に耳を傾けている。
飲むほどに、酔うほどに、彼らはギアスの話に心酔している。
祝宴の各所に人が集っている。
オキテスも場にできている人の集いの中にいる。海戦を戦った者の一人を呼んで話を語らせている。
あちこちにある人の集いが歓声をあげる、その都度、杯の酒を飲みほしている。
統領と軍団長は、スダヌス浜頭の語り口に心を酔わせている。
彼らが楽しんだ祝勝の宴が終宴の時に到ろうとしている。小島の連中が引きあげていく、彼らを見送る、また飲み始める、勝利した海戦談義を語らせる、その語りに酔う、羨望を心に湧かせる、海戦に参加している気分になる、祝宴は人間模様を描きながら幕を閉じようとしている、一人去り、また、一人去りと場に集った者らが去っていく。
セレストスらが場の後始末にとりかかる、酔いつぶれた者の始末もする。
彼らが見あげる夜空には、夏盛りの月が澄んだ風情で光を投げ落としていた。