『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1111

2017-09-04 10:33:11 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスがキドニアの集散所から帰ってくる、彼は、これはと考える情報を携えて帰って来た。
 浜にあがる、いつものように、まず、建造の場に足を運ぶ、軍団長の所在を確かめた。
 オキテスと話し合っているイリオネスの姿を見とめる。傍らに立って姿勢を改めた。
 『軍団長、ただいま帰着しました』
 『おう、ご苦労!』
 『今日の活動と売り上げを報告します。今日、集散所から連絡を受け取りました。マリアからの連絡です』
 イリオネスが言葉をはさむ。
 『おう、なんと言って来ている』
 『新艇の発注の件ですが、今月の末日までには発注できると言っています。同じ島内でありながらマリアは近いとは言えない。そうであるばっかりに、もどかしいとい言っています』
 これを耳にして、イリオネスは思案した。
 『それはそうだろう。新艇は、大型の商品だ、発注する方も注文を受ける方もそれなりの気遣いをする、考えるだ。買い物には失敗したくない。それが人情だろう』
 オキテスの目を見つめる。
 『オキテスどうだ?注文する立場になって考えたらどうしてほしい?明日、キドニアに打ち合わせに出向く!スダヌスとの打ち合わせもある』
 『解りました』
 オキテスは答えて、オロンテスに話しかける。
 『オロンテス、明日、軍団長と一緒に出向く。よろしく頼む』
 『おう、心得た。打ち合わせには俺も同席ということでいいな』
 『おう、それでいい。情報は共有したほうが安心できる。軍団長のマリア行きが早まる。パリヌルスには、俺が伝える』
 『解った。ではな』
 オロンテスが場を去っていく。
 イリオネスがオキテスに話しかける。
 『なあ~、オキテス、我々が出向いて何とかする。営業だ!この成果のためなら、百里の道も遠くはない!それからだが、ヘルメス艇も行く算段をしてみろ!お前の考えるところを明日キドニアに着くまでに聞かせろ』
 『解りました。この件に関して軍団長の思考は、軍略思考ですね』
 『そうだ、この種の仕事、こういった業務は軍略的に進める。その気概でやる!』
 オキテスは、この営業にかけるイリオネスの志向している軍略的なワークモードを理解した。