イリオネスもオキテスも身体を反転させる、声をあげるオキテス。
『ギアス、ゴッカス、出航する!全員乗艇!位置に就け!』
出航命令が下る、海に身を浸しながら駆ける乗員一同、乗艇するや、即刻、漕ぎ座に就く、イリオネスとオキテスが試作戦闘艇に乗り組む。
波打ち際に駆けよる、アエネアス、パリヌルス、ドックス、浜にいる全員が波打ち際に立ち並ぶ。
旅立つ一同が艇上から手を振ってくる、ギアスとゴッカスが風を読む、大声をあげて指示を出す。
『全帆、帆を張れ!』
二艇が帆を張る、張られた帆が直ちに風をはらみ始める、いい風である。
艇が静かに波を割り始める、試作戦闘艇が先行する。
波打ち際の全員が手を振る、声をあげる、壮図の航海に就く、無事の帰着を祈る、ニューキドニアの浜に展開する彼らの出航風景であった。
風が押し届ける喊声が進みゆく艇を押す、キドニアに向けて艇は航跡を引いて遠ざかっていく、彼らは船影が見えなくなるまで浜に立って彼らを見送った。
西からのいい風が艇を押す、順風満帆、波を割って航走した。
キドニアの船だまりが見えてくる、二艇が接岸する、待っていたスダヌスが試作戦闘艇に乗ってくる、イリオネスの肩を抱いて挨拶を交わす、オキテスは集散所のハニタスのもとへ連絡に走った。
スダヌスは、たいそうな荷を準備して待っていた。彼は荷積みを終えて戦闘艇に乗艇する、クリテスが近寄ってくる、久々に顔を合わせる二人、交わす言葉は少ないが、たっぷり親と子の情を通わせた。
イリオネスは、岸壁上でオキテスが案内してくるハニタスを迎える、トミタスが同行している、オロンテスも顔を見せる。
『ハニタス殿、先日はありがとうございました。この船が、いま、我々が建造している戦闘艇の試作艇です。見てください』
『ほう、そうですか。レテムノンのテムノス浜頭から耳にした船ですな。航海から戻られたら、一度乗せてください』
『解りました。その機会をつくります。講評を伺います』
『このたびもスダヌス浜頭が同行されるのですね。それは心強い、何事もうまく運びます。安全航海で無事の帰着を祈ります。なお、マリアへは駅伝ですでに連絡を終えています』
ハニタスは、心込めて丁寧に言葉を結んだ。
『ハニタス殿、では、行ってきます』
イリオネスは、目指す寄港地レテムノンに向けてキドニアの船だまりをあとにした。
『ギアス、ゴッカス、出航する!全員乗艇!位置に就け!』
出航命令が下る、海に身を浸しながら駆ける乗員一同、乗艇するや、即刻、漕ぎ座に就く、イリオネスとオキテスが試作戦闘艇に乗り組む。
波打ち際に駆けよる、アエネアス、パリヌルス、ドックス、浜にいる全員が波打ち際に立ち並ぶ。
旅立つ一同が艇上から手を振ってくる、ギアスとゴッカスが風を読む、大声をあげて指示を出す。
『全帆、帆を張れ!』
二艇が帆を張る、張られた帆が直ちに風をはらみ始める、いい風である。
艇が静かに波を割り始める、試作戦闘艇が先行する。
波打ち際の全員が手を振る、声をあげる、壮図の航海に就く、無事の帰着を祈る、ニューキドニアの浜に展開する彼らの出航風景であった。
風が押し届ける喊声が進みゆく艇を押す、キドニアに向けて艇は航跡を引いて遠ざかっていく、彼らは船影が見えなくなるまで浜に立って彼らを見送った。
西からのいい風が艇を押す、順風満帆、波を割って航走した。
キドニアの船だまりが見えてくる、二艇が接岸する、待っていたスダヌスが試作戦闘艇に乗ってくる、イリオネスの肩を抱いて挨拶を交わす、オキテスは集散所のハニタスのもとへ連絡に走った。
スダヌスは、たいそうな荷を準備して待っていた。彼は荷積みを終えて戦闘艇に乗艇する、クリテスが近寄ってくる、久々に顔を合わせる二人、交わす言葉は少ないが、たっぷり親と子の情を通わせた。
イリオネスは、岸壁上でオキテスが案内してくるハニタスを迎える、トミタスが同行している、オロンテスも顔を見せる。
『ハニタス殿、先日はありがとうございました。この船が、いま、我々が建造している戦闘艇の試作艇です。見てください』
『ほう、そうですか。レテムノンのテムノス浜頭から耳にした船ですな。航海から戻られたら、一度乗せてください』
『解りました。その機会をつくります。講評を伺います』
『このたびもスダヌス浜頭が同行されるのですね。それは心強い、何事もうまく運びます。安全航海で無事の帰着を祈ります。なお、マリアへは駅伝ですでに連絡を終えています』
ハニタスは、心込めて丁寧に言葉を結んだ。
『ハニタス殿、では、行ってきます』
イリオネスは、目指す寄港地レテムノンに向けてキドニアの船だまりをあとにした。