『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1402

2018-10-30 06:19:06 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 オロンテスがオキテスに声をかける。
 『おう、オキテス、価格改定の件だが、あのような説明でうまくいったなと驚いている、重畳、重畳!お前は営業の担当に最高だな!よ~く解った!それでだな、集散所でやる営業活動は俺の役務でいいな』
 『おう、よろしく頼む!言ってくれるな!オロンテス。営業の仕事は、謙虚とプライドで勝負するとした!寝ずに考えた結果だ』
 オキテスが右手でこぶしをつくり左胸をドラムする。
 『俺、スダヌスとチョコット話してくる。そして、アレテスの昼便で帰る』
 『了解!』
 二人の脳裏にはいい明日が見えかけている。
 オロンテスは感懐を胸に沸かせる。
 『未来の扉を開ける。押して開けるか、引いて開けるか、それとも開けてもらって、招いて入れてもらうかだな。確かな成果を手にしていきたい!過ぎる欲をかかず、謙虚第一、不思議の働きでいただけるものをいただく、これに徹する』
 オロンテスがひとりごちる、民族の大事に携わる自分ありかたを決める。
 『なあ~、オロンテス、お前と俺だが折衝の場で対手を少しは押せるようになったな。営業のコツが板についてきたのかな』
 『オキテス、それは言えているかもな。俺らが持っている目標意識といったところだな。志、自ずから通じるだ』
 二人は心根満足の目線を合わせる、うなずき合う。
 パン売り場に着く、喧騒を極めている、客対応をするオロンテス。
 『おう、多忙!多忙!多忙はいいことだ!』
 
 オキテスがスダヌスの売り場へと向かう、オキテスがスダヌスの売り場の前に立つ、商談真っ最中のスダヌスと目が合う。
 『俺の話はあとでいい!商談優先!』
 『おう!』
 商談が終わる、客に礼を述べるスダヌス、念を押して場をはなれていく客。
 『おう、オキテス、待たせたな、すまん。久しぶりだ!お前とは三日会わなきゃ久しぶりなのだ。俺の気持ちがわかるな』
 『おう!』
 『いい商談がまとまった。塩干魚の大量受注だ。アレテス打ち合わせをやる。お前、俺に何か用事があるのか?』
 『おう、あるある!用事がなければ来てはならんのか?』
 『いや、そうではない』
 『難しい話ではない。昨夕のことだ、船舶の売り出しの営業計画をスタートさせた。浜頭の力を借りたいと考えている』
 『そうか、お前ら前向きだな。どうだ、もう頃合いだ、昼めしでもつままないか』
 『おう、いいな!今日はこのあと、アレテスの昼便で帰る』
 『広場で待っていてくれ。昼の準備をしてくる』
 『おう!』
 オキテスが広場で待つ、程なくスダヌスが昼のつまみものを持って姿を見せた。