『トロイからの落人』 FUGITIVES FROM TROY 第７章 築砦 1430

　アエネアスが面前に立っているオキテスに目線を注ぐ、オキテスを見つめる目にアエネアスの心情があふれている。
　『報告いたします。一同、営業の事前活動を終えて、只今、無事帰着しました』
　『おう、一同、無事の帰着、何よりである！ご苦労であった』
　イリオネスがオキテスに声をかける。
　『おう、オキテスご苦労であった。セレストスが昼食の準備を整えている。昼を済ませろ！統領と俺は、会所にいる』
　『はい、了解しました。昼食を済ませたら、そちらへまいります』
　オキテスが一同と昼食の場に向かう。
　『オキテス隊長、ご苦労でした。昼食の場ができています。どうぞ！』
　『おう、セレストス、ありがとう』
　オキテスが航海を共にした一同に営業の事前活動の概略を簡単に話し、航海の苦労をねぎらう。
　『ということだ、解ったかな。一同！ご苦労であった。ここに事前営業活動の航海が終了した。さあ～、皆で昼食を食べよう』
　ダックスがオキテスに代わって声をあげる。
　『ここに無事、浜に帰着した、一同ご苦労であった。マリアからスオダまで長い行程を走りきった。その大変を察している。このあと、艇を点検整備して、所定の浜に揚げて、業務の終了とする。身体を休めてくれ！以上だ』
　一同から拍手と歓声があがる。
　彼らは、無事帰着の安堵でくつろぎ、昼食の時を過ごす。
　オキテスがダックスに声をかける。
　『おう、ダックス、あとのことよろしく頼む。昼食を終えたら、作業を終えて解散して休んでよろしい。俺は、会所にいる、統領らと一緒だ』
　『判りました』
　オキテスは昼食の場をあとにして会所に向かう。
　アエネアス、イリオネス、パリヌルスがオキテスを迎える。
　イリオネスがオキテスに声をかける。
　『おう、オキテス、４日間の営業事前活動を終えて、無事の帰着、ご苦労だった。彼らの船舶の売り出しに関する感触はどんな具合だ？』と言ってオキテスと顔を合わせる。
　オキテスが口を開く。
　『まずですが』と言ってアエネアスと顔を合わせる、そして、目線をイリオネスに移して目を合わせる。
　『エドモン浜頭が統領と軍団長にくれぐれもよろしくとのことです。テムノス浜頭も統領と軍団長によろしく伝えてくれと言づかっています。マリア集散所のダントス所長が軍団長によろしくとのことです』
　『ほう、そうか。皆、元気であったか？』
　『はい、皆、元気でした』
　『それは、重畳！この上なしだ』
　オキテスは、事前営業活動の始終を報告する。イラクリオンとレテムノンにおける売り出し対応と展示試乗会の開催について、オキテスの考えていた思惑と少々違った展開で話がまとまったことについて話した。