『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1442

2018-12-25 04:34:04 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 イラクリオンの浜の朝が明ける、星が眠りについていく、イリオネスら一行が眠りから覚める。
 一同が起きあがる、朝行事に向かう、東の水平線上の空が明るんでくる、身を海に浸している、陽の出の時を待つ、陽が水平線を破る、目線を昇る太陽に釘づける。
 身は海中にある、身をすすぐ手がとまる、一瞬の静寂、太陽の第一射が彼らの顔を照射する、一同が瞑目する、彼らが何をかを念じる姿がそこにあった。
 一同が海からあがる、さわやかなる気が漂う。
 彼らは、オキテスを真ん中にして円陣を組む、オキテスが一同と目を合わせる、朝の挨拶を交わす、次いで、今日の業務、作業要領と段どりを告げる。
 『一同!解ったな!』
 『おうっ!』
 朝食を手間取ることなく済ませる、エドモン浜頭方の者らの来たるを待った。
 エドモン浜頭を先頭にして一行12人が姿を見せる。
 『おう!オキテス隊長、おはよう、いい朝だ。朝食を済ませたかな?』
 『はいっ!エドモン浜頭、おはようございます。来られるのを待っていました』
 『そうか、オキテス隊長、これがウチの者らをとり仕切っている、イラクスだ、よろしく頼む。会場の設営については、彼と話し合って設営してくれ』
 浜頭がイラクスに声をかける。
 『イラクス、こちらが船舶売り出し展示試乗会の業務指揮を担当しているオキテス隊長だ』
 エドモン浜頭が二人を結びつける、握手を交わすオキテスとイラクス、二人は会場設営の場に立つ、作業要領と段取りを話し合う、作業にとりかかる。
 エドモン浜頭は、イリオネスと朝の挨拶を交わす、連れ立って浜頭の屋敷へ歩を向け場を去っていく。
 オキテスとイラクスは、時を気にかけながら作業を進めている、船舶売り出し展示試乗会の会場設営を終える。
 二人は、頃合いを計る、イラクスが声をかける。
 『オキテス隊長、この会場はどうですかな?』
 『いいですな。この設営なら万全の客対応ができる』
 イラクスと言葉を交わしながらオキテスは、持参した販促ツール、戦闘艇と新々艇の仕様書き、絵図を接客台上に並べ積む。
 『オキテス隊長、太陽がこの位置に来る頃合いから、客が会場に姿を見せます。客対応頑張ります』
 『解りました。互いに頑張りましょう』
 『見込み客がアサイチに来ます。試乗の方よろしく願います』
 『了解しました』
 『それには私が同行します』
 イラクスが言ったように太陽がその位置に来る、太陽が動きを止めたかとオキテスの目に映った。