『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1440

2018-12-22 04:25:56 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 キドニアにおける船舶売り出し展示試乗会は、キドニス、スダヌス二人の浜頭の応援もあり、営業の成果は好結果を招いている。。一日5回三日で14回の試乗航走を数えた。
 二日目には、キドニス浜頭の紹介客から戦闘艇の発注があり、三日間で戦闘艇1艇、新々艇2艇の引き合いを受け付ける。関係者一同がその成果に喜んだ。
 初回の売り出しを終えた一行は、キドニアの浜で宿営する。
 四日目、五日目の二日間は航海日としている。次の売り出し展示試乗会を行うマリアへは、約160キロの海路を納入戦闘艇を曳航しながら二日間をかけて航海することにしている。
 航海日初日の今日の停泊地は、キドニアからマリアまでの中間地点であるパノルモスとしている。
 航海は、いい海上条件に恵まれての航走である。キドニアから目的地であるパノルモスまでの約80キロの海路をいい西風に押されて、陽の出出航、日の入り到着、今様時間11時間かけて航走する。
 航海日二日目のパノルモス、マリア間もキドニア、パノルモス間と同様の約80キロくらいである。この行程の航海時間は、約12時間の時間を要した。
 イリオネス、オキテスらは、この長途の航海を試作戦闘艇と新々艇仕様に改造したヘルメス艇が引き渡し納入戦闘艇を1艇づつ曳航して無事に航走し終える。
 いい天候に恵まれたことが幸いしたといえる。
 航海日二日目の目指したマリアの停泊岸壁に到着した頃合いは、宵のとばりの降りる頃合いであった。
 オキテスがイリオネスに声をかける。
 『軍団長、この頃合いですと集散所との打ち合わせは無理です。明朝、早く出向いて戦闘艇の納入引き渡し及び展示試乗会の開催等の段取りを集散所側と打ち合わせます』
 『おう、解った。それでいい!』
 彼ら一行は、マリアの停泊岸壁の浜で宿営する。
 オキテスが早朝にマリアの集散所に出向く、諸事を打ち合わせる、展示試乗会を開催する。
 戦闘艇の注文主クランドス浜頭、リンドス浜頭への引き渡しには、ダントス集散所所長、リドラス担当、イリオネス、オキテスらが停泊岸壁に場を設けて引き渡す。
 引き渡す戦闘艇には、発注時には装備されていなかった、防御楯構造が装備されている、その装備に注文主の二人が大喜びする。
 また、引き渡す戦闘艇には、儀式用の子羊、ぶどう酒、持参した堅焼きパンなどが添えられている、受け取る二人の注文主が納入者の至れり尽くせりに大感動した。
 展示試乗会の催行は盛況のうちに終わる。
 三日間13回の試乗航走は、毎回、多数が試乗乗艇してにぎわう、今回も戦闘艇1艇の受注を受け付け、戦闘艇2艇、新々艇1艇の引き合いを受け付けた。
 納入戦闘艇の引き渡し、売り出し展示試乗会を終えた彼ら一行は、明日からの開催地であるイラクリオンへとマリアをあとにする。
 今夜の宿営地はイラクリオンのエドモン浜頭の浜である。イラクリオンには、日没後ではあるが明るい頃合いに到着する。
 イリオネスとオキテスは、船舶売り出し展示試乗会の催行の要領と段取りの打ち合わせにエドモン浜頭の屋敷へ出向く。
 エドモン浜頭とイリオネスは久々の邂逅である、二人は、元気であることを確かめ再会を喜び合った。