イリオネスがアエネアスに微笑み返す。
『統領の言われることよくわかります。言われる通りです。事業を推し進めていくうえで必要な大事なところです。寸前暗黒で目を開けていても見えない、その闇を通して先を見る、至難の技です。人間、自分の歩幅のうちは見えるが歩幅を超えると見えにくい、一歩先を見る目を養っていきます』
『イリオネス、そこまで実行の悲壮感を持たなくともよい、深く考えての講釈ではない。人間の持つ思考深度と思考視野の領域の広さの個人差が関係するな。笑い飛ばしてくれる方が、俺は嬉しい』
『そうですか。そのように言われては、自分を見つめますな』
『例えで言えば、お前と俺の関係だ。荷車で考えると、お前が右の車輪で俺が左の車輪だ。そのような間柄でともに前へ進んでいこう!両輪の転がりに気を配ってだ!イリオネス!』
『はい』
アエネアスとイリオネス、二人のみの研修の濃密の時を過ごす。
建国と言う未来のカオスの核を心に抱くアエネアス、事業体の堅実運営に心を砕くイリオネス。
二人は、二人を支えるスタッフとラインの者らで民族を率いて、このカオスな原始の古代を生きているのである。
二人は、思考の咀嚼の時を過ごし、語りの時を終える。
パリヌルスとオキテスが建造の場の巡回を終えて、会所に戻ってくる。
イリオネスがオキテスに話しかける。
『おう、二人!巡回を終えたのか、4日間を留守にして、オキテス、お前の想定と現状に差異を感じているのか?』
『はい、私の想定した状況とは、かけはなれてはいません。いい状況です。この進捗であれば、私が船舶の売り出しで半月に及ぶ留守でも、いい状況がたもたれて、いかなる心配も必要がないと感じています』
『ほう、そうか。それはいいといえるな』
『はい、安心の境地です』
『売り出しがスタートすれば、2か月の長期だ。オキテス、売り出しの展開を考えるのだな』
『解りました。その計画と概略は、もう出来ています』
『ほう、そうか。それは、心強い!』
『とは言うものの、不安がつきまといます』
『それはそうだろう、そうであるのが、事を運ぶ当事者のスタンスポジションに立つ者の当たり前なのだ』
『これを実行するのが私ですが、私の仕事を誰かに代わってもらいたい。そんな思いが頭をかすめることがあります』
『おいおい、オキテス、それはおだやかではない。余計なことを考えずに時の始まりを待って討って出るのだ』
『解りました。その待つと言う精神力が俺には欠けているのかな。と考えています』
『オキテス、それは責任と言う荷物を考えるからだ。忘れてもらっても困るが、責任は結果ではない、この際、責任は役務遂行の動機づけだと考えろ!』
『責任をそのように考える?!』
オキテスは、頭をかしげた。
『統領の言われることよくわかります。言われる通りです。事業を推し進めていくうえで必要な大事なところです。寸前暗黒で目を開けていても見えない、その闇を通して先を見る、至難の技です。人間、自分の歩幅のうちは見えるが歩幅を超えると見えにくい、一歩先を見る目を養っていきます』
『イリオネス、そこまで実行の悲壮感を持たなくともよい、深く考えての講釈ではない。人間の持つ思考深度と思考視野の領域の広さの個人差が関係するな。笑い飛ばしてくれる方が、俺は嬉しい』
『そうですか。そのように言われては、自分を見つめますな』
『例えで言えば、お前と俺の関係だ。荷車で考えると、お前が右の車輪で俺が左の車輪だ。そのような間柄でともに前へ進んでいこう!両輪の転がりに気を配ってだ!イリオネス!』
『はい』
アエネアスとイリオネス、二人のみの研修の濃密の時を過ごす。
建国と言う未来のカオスの核を心に抱くアエネアス、事業体の堅実運営に心を砕くイリオネス。
二人は、二人を支えるスタッフとラインの者らで民族を率いて、このカオスな原始の古代を生きているのである。
二人は、思考の咀嚼の時を過ごし、語りの時を終える。
パリヌルスとオキテスが建造の場の巡回を終えて、会所に戻ってくる。
イリオネスがオキテスに話しかける。
『おう、二人!巡回を終えたのか、4日間を留守にして、オキテス、お前の想定と現状に差異を感じているのか?』
『はい、私の想定した状況とは、かけはなれてはいません。いい状況です。この進捗であれば、私が船舶の売り出しで半月に及ぶ留守でも、いい状況がたもたれて、いかなる心配も必要がないと感じています』
『ほう、そうか。それはいいといえるな』
『はい、安心の境地です』
『売り出しがスタートすれば、2か月の長期だ。オキテス、売り出しの展開を考えるのだな』
『解りました。その計画と概略は、もう出来ています』
『ほう、そうか。それは、心強い!』
『とは言うものの、不安がつきまといます』
『それはそうだろう、そうであるのが、事を運ぶ当事者のスタンスポジションに立つ者の当たり前なのだ』
『これを実行するのが私ですが、私の仕事を誰かに代わってもらいたい。そんな思いが頭をかすめることがあります』
『おいおい、オキテス、それはおだやかではない。余計なことを考えずに時の始まりを待って討って出るのだ』
『解りました。その待つと言う精神力が俺には欠けているのかな。と考えています』
『オキテス、それは責任と言う荷物を考えるからだ。忘れてもらっても困るが、責任は結果ではない、この際、責任は役務遂行の動機づけだと考えろ!』
『責任をそのように考える?!』
オキテスは、頭をかしげた。
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