『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1436

2018-12-17 03:57:46 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスは、トロイ民族を率いてその頂点に立つ統領である。
 そうであるが故に事業遂行の成果期待値こそ事業成果として、仕事のやりがいであり、己の生き甲斐としている。
 オキテスの思考との違いは決定思考発想の原点の違いである。
 アエネアスには、民族の頂点に立つものとしての発想点がある。イリオネスには、その立ち位置に立っての発想点がある。
 この二人の発想点は、『目標があればこそ!』なのである。
 目標を正面に掲げて業務を、作業をやりきる、それが業務、作業のやり甲斐であり、生き甲斐なのである。
 狙う目標、標的があればこそ、成果期待値の達成をクリアして前へ進むのである。
 イリオネスの民力を駆動しての業務の作業の発想点は、口ではオキテスに告げてはいないが、原価に基づく獲得目標利益額が発想の原点にある。
 ここで、しかしである。
 アエネアスとイリオネスの二人がこの業務、作業に着手するときには、業務遂行の成果期待値が閾下に潜在し、潜在力化し、業務遂行力が顕在化する。そして、無我こそはで、業務遂行に力をを尽くすのである。
 業務遂行者として、我を捨てての業務遂行の実行者なのである。他の誰も彼ら二人を倣うことが出来ない域外の二人なのである。この二人は、そのような資質を有して、目標に向けて命を燃焼させるのである。
 
 二人の顔が合う、目が合う、うなずき合う、イリオネスがアエネアスに声をかける。
 『統領、オキテスも遠出の旅から無事に帰ってきました。今、今月も半ばに到っています。明日の件ですが、小島のアレテスの部署、パン工房を見まわってやりましょう』
 『そうだな、今月だが、月前半、多忙であった』
 『彼らは、統領の来訪を喜びます。次への踏み出しに力の湧出です』
 『おう、イリオネス、いいな!明日はそれの実行!心得た』
 二人が話し終える。パリヌルスとオキテスも何事かを話し合っている。オロンテスが姿を見せる。
 『軍団長、只今、帰りました。今日の成果です。今日は特に報告すべきことがありません』と述べて、売り上げの木札を入れた袋をイリオネスに手渡す。
 『おう、そうか。ご苦労であった』
 オロンテスがオキテスに声をかける。
 『おう、オキテス、長途の海旅、用達を短時日でやってのけたな!ごくろう、ごくろう。疲れのほうはどうだ?』
 『おう、疲労困憊というわけではない。ところで、営業事前活動の件を話しておきたいと考えている。イラクリオンとレテムノンにおける事情が考えていた事情とは、ちと違った。時間はそうかからない、夕めしの後にでもどうだ?』
 『おう、いいだろう。夕めしを終えたら会所のほうに来る』
 『解った。パリヌルス同席してくれ』
 『了解!』
 三人は話し終えて立ちあがる、アエネアスとイリオネスと挨拶を交わして会所をあとにした。