レテムノンの浜が船舶売り出し展示試乗会の三日目の朝を迎える。
昨日とうって変わり洋上には、試乗客を乗せて航走するにいい東からの風が吹いている。
昨日、来場された客の姿がある、水夫頭と顔が合う、歩み寄っていく、声をかける。
『あっ!浜頭、ようこそ!来場くださいました。ありがとうございます』
『おう、頭!船舶売り出し展示試乗会、忙しそうだな。なによりなにより!』
オキテスが水夫頭に小声で耳うちする。
『頭、こちらさま、昨日ヘルメス艇を試乗された再訪のお客です』
『なになに、昨日も来場くださった?』
水夫頭が驚きの声をあげる、客人に声をかける。
『それはそれは、たいへん失礼しております。昨日もおいでくださった。私ども気づかずで失礼の段、お許しください』
水夫頭が平身して低頭する。
『いやいや、頭、気にしないでいただきたい。私の勝手で来ているわけだから。今日、ここに来たのはだな、朝、浜に出てみたらいい風が吹いているではないか。その風具合を見て試乗気分が沸いてきたというわけだ』
『そうですか』
『昨日は小さいほうの船に乗ってみた。今日は大きいほうの船に乗ってみようと思ってな』
『解りました。浜頭、つれの方がおられますか?』
『おう、連れかいるいる、もう来る』
『試乗、第2便となります。待っていただきたいのですが』
『おう、それでいい!』
『どうぞ、少々、腰を下ろして休んだください』
水夫頭が浜頭と姿を見せた5人を接客の場へと案内する。
テムノス浜頭が姿を見せる、来客に気づく、歩を速める、客と顔を合わせる、声をかける。
『おう、パナモス浜頭殿、来てくれたのか、ありがとう!大歓迎だ、休んでくれ。用件を言ってくれたか?』
『昨日も来た、そして、今日も来た。納得の試乗をしたくてな。昨日来た時に声をかけようと思ったが、来場者が多くて多忙を極めていた。そのようなわけで失礼した』
『俺の方こそ、気づかずで失礼した、許してもらいたい』
テムノス浜頭が軽く詫びを言う。
『試し乗りして船を買う。これまでのクレタになかった船の売り方ではないか。今朝浜に出てみたら、いい東からの風が吹いている、そのようなわけで再度、試し乗りに来たというわけだ』
『それはそれは、ようこそ来てくれた。ありがとう。厚く礼を言う。この頃合いだ、昼を準備する、昼を一緒しよう!漕ぎの連中をいれて何人だ?』
『何っ!?漕ぎの者らまで昼の馳走になるのか』
『そうだ、俺の気持ちのもてなしだ、受けてくれ』
『浜頭の言葉に甘えていたら、何としても船を買わなくてはならないということになる。浜頭、悪いが遠慮する。悪く思わんでくれ』
『そのように言われたら、言いだした俺の顔がたたない!買う買わない、それは慮外のことだ。日ごろの疎遠の詫びだ、遠慮はしてくれるな。昼食の場は屋敷の庭に設ける、話し合おう。お互い取り仕切っている場が違う関係でイラクリオンで顔を合わせたときぐらいではないか、ここで逢ったが幸い、昼食を一緒しよう』
『了解した。テムノス浜頭殿、馳走になる、言葉に甘える。この厚遇を返す時がある、その時は遠慮せず俺の言いなりになってくれることを約束してくれ!いいな』
『解った。約束する』
二人は手をさしのべる、固く握り合った。
昨日とうって変わり洋上には、試乗客を乗せて航走するにいい東からの風が吹いている。
昨日、来場された客の姿がある、水夫頭と顔が合う、歩み寄っていく、声をかける。
『あっ!浜頭、ようこそ!来場くださいました。ありがとうございます』
『おう、頭!船舶売り出し展示試乗会、忙しそうだな。なによりなにより!』
オキテスが水夫頭に小声で耳うちする。
『頭、こちらさま、昨日ヘルメス艇を試乗された再訪のお客です』
『なになに、昨日も来場くださった?』
水夫頭が驚きの声をあげる、客人に声をかける。
『それはそれは、たいへん失礼しております。昨日もおいでくださった。私ども気づかずで失礼の段、お許しください』
水夫頭が平身して低頭する。
『いやいや、頭、気にしないでいただきたい。私の勝手で来ているわけだから。今日、ここに来たのはだな、朝、浜に出てみたらいい風が吹いているではないか。その風具合を見て試乗気分が沸いてきたというわけだ』
『そうですか』
『昨日は小さいほうの船に乗ってみた。今日は大きいほうの船に乗ってみようと思ってな』
『解りました。浜頭、つれの方がおられますか?』
『おう、連れかいるいる、もう来る』
『試乗、第2便となります。待っていただきたいのですが』
『おう、それでいい!』
『どうぞ、少々、腰を下ろして休んだください』
水夫頭が浜頭と姿を見せた5人を接客の場へと案内する。
テムノス浜頭が姿を見せる、来客に気づく、歩を速める、客と顔を合わせる、声をかける。
『おう、パナモス浜頭殿、来てくれたのか、ありがとう!大歓迎だ、休んでくれ。用件を言ってくれたか?』
『昨日も来た、そして、今日も来た。納得の試乗をしたくてな。昨日来た時に声をかけようと思ったが、来場者が多くて多忙を極めていた。そのようなわけで失礼した』
『俺の方こそ、気づかずで失礼した、許してもらいたい』
テムノス浜頭が軽く詫びを言う。
『試し乗りして船を買う。これまでのクレタになかった船の売り方ではないか。今朝浜に出てみたら、いい東からの風が吹いている、そのようなわけで再度、試し乗りに来たというわけだ』
『それはそれは、ようこそ来てくれた。ありがとう。厚く礼を言う。この頃合いだ、昼を準備する、昼を一緒しよう!漕ぎの連中をいれて何人だ?』
『何っ!?漕ぎの者らまで昼の馳走になるのか』
『そうだ、俺の気持ちのもてなしだ、受けてくれ』
『浜頭の言葉に甘えていたら、何としても船を買わなくてはならないということになる。浜頭、悪いが遠慮する。悪く思わんでくれ』
『そのように言われたら、言いだした俺の顔がたたない!買う買わない、それは慮外のことだ。日ごろの疎遠の詫びだ、遠慮はしてくれるな。昼食の場は屋敷の庭に設ける、話し合おう。お互い取り仕切っている場が違う関係でイラクリオンで顔を合わせたときぐらいではないか、ここで逢ったが幸い、昼食を一緒しよう』
『了解した。テムノス浜頭殿、馳走になる、言葉に甘える。この厚遇を返す時がある、その時は遠慮せず俺の言いなりになってくれることを約束してくれ!いいな』
『解った。約束する』
二人は手をさしのべる、固く握り合った。