『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1461

2019-01-28 08:14:43 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスが話を終える、オキテスがパリヌルスに話しかける。
 『おう、パリヌルス、例の販促ツールを使用した今回の船舶売り出し展示試乗会だが、客受けが非常によかった。試乗した客が、あの販促ツールと首っ引きで操作感と試乗感を確かめる。そしてだな、戦闘艇と新々艇の2種類の船だ。客の船選びに大いに役立った』
 『そうか、それはよかった。それを聞いて肩のコリがとれた』
 『前に催行した展示試乗会に比べると、客の注目喚起に大いに役立ったというわけだ。それが結果に結びついていったのではないかと考えられる結果であった』
 『販促に効果があったとはな、うれしい限りだ』
 二人は手を握り合う。
 キドニアから帰ったオロンテスが会所に顔を見せる。
 『只今、帰りました。軍団長、このたびはご苦労でした。いい結果でした、喜びを申し上げます。キドニアでオキテスから結果を聞いたとき驚きでした。重畳!何よりです』
 『おう、オロンテス、ありがとう。俺の働きではなくオキテスの働きだ。オキテスを、よいしょ!と誉めてやってくれ』
 オロンテスがオキテスと顔を合わせる。
 『おう、オキテス、今回の船舶売り出し展示試乗会の重畳なる結果、はなはだご苦労であった。上々の結果、大義であった。誉めてつかわす!』
 『はっは、オロンテス、お前の誉めにあずかり、ありがとうございます』
 『お~お、重畳重畳!』
 二人はうなづき合い、笑い合う、笑顔を合わせる。それだけではおさまらない、手を握り合い、肩を抱き合った。オキテスの半月、いや1か月にわたる労が報われたのである。
 夕陽が海を茜に染める、浜には、今日の作業終了の時がおとずれている。
 アエネアスが一同に声をかける。
 『おう、どうだ、ここで一同、夕食を一緒しないか?』
 『いいですね、やりましょう』
 話は即座に決まる。オキテスが声をあげる。
 『あのう、私ですが、半月も留守にしていました。建造の場の者らと夕食を一緒したいと考えているのですが』
 『おッ!、そうだな。そうしてやれ。終わったら、ここへ戻って来い』
 『解りました。ありがとうございます』
 『おう、営業の声がけが板についた返事だな!ハッハッハ!』
 和やかな言葉のやりとりでオキテスを場から送り出す。
 建造の場に向かうオキテス、建造の場の者らが拍手でオキテスを迎える。懐かしみを込めた言葉と声音で一同に声をかける。
 『おう、お前ら元気であったか?船の注文をもらってきたぞ!一時も早くお前らに会いたかった』
 『このたびの快挙!おめでとうございます』
 場が、拍手と歓声で沸きあがる、彼ら一同が和気あいあいで夕食の時を過ごす。
 夕食を終えたオキテスが会所へ戻る、会所の一同がオキテスを迎える、あらためてオキテスに酒をすすめる。
 快挙を成し遂げたイリオネスとオキテスの無事帰還の小宴を終えた。