『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1465

2019-02-01 08:51:21 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 二人の浜頭の的中した将来とは、船舶の構造と性能、需要に関するクレタ島内の市場動向であり、もうひとつのテムノス浜頭の予想とは、これからのクレタ島におけるアエネアスら一統の動向であった。
 
 話は、ニューキドニアにおけるパリヌルスらの動きに戻る。
 パリヌルスとオキテスは、会所をあとにして、建造の場のオキテスの席場におちつく。二人は話し合う。
 『なあ~、パリヌルス、今回催行した船舶売り出し展示試乗会の結果だが、その成果のことだが、何とも不思議でしょうがない。どうしてあのようないい結果になったかとな』
 『そうか、そんなに不思議か。オキテス、成果を喜んで受けとっておくことだな』
 『そうか、喜んでいただいておけばいいのか。そうする!しかし、不思議だ、どう考えても』
 『事情を解析したから、解るというものでもあるまい』
 『そう言われれば、そうかもな』
 『お前の懸命な努力が獲得した結果だ、喜んで受け取れ!朝、水平線を破って昇る大日輪に感謝ですませろ!それでいい』
 『解った。そうする。船舶売り出し展示試乗会を催行した10日余りだが天候にも恵まれたが、前回の展示会に比べて、来場する客も多く盛会であった。船に対する関心度も違って感じたな』
 『そうか、お前の感性に響いたか?』
 『おう、ヒシッと感じたな。俺の今考えているのは、客の引き合いの受注化だ。何としても一艇のこらず受注にしたい。それにはどう手を打つかを考えている。それをこのあとの実行計画にしたい』
 『ほう、そういうことか。それで11月にもう一度、本年最後の展示試乗会の催行を考えているのか』
 『それで引き合いを受注する。そのあとは月一回の営業訪問を行う。そのように営業活動計画を予定している。それでどうだろう?』
 『いい考えだ。受注した艇の引き渡し納入もある。妥当性のある営業活動である。非の打ち所がない!もろ手を挙げて賛成する』
 『お前と話し合って前が見える。お前の言ったことを考慮して、年内の月次、日次の計画を立案する。受注した船舶の建造を行い、引き渡し納入の件を滞りなく実行する。その打ち合わせの航海に行ってくる』
 『了解した。オキテス、お前の建てた計画に基づいて、俺の計画を立てる。当面急を要する計画は、受注に対応する建造体制だ。その建造体制をお前と話し合って結論を出さねばならん』
 『そうだな。了解した。パリヌルス、お前の考えは、まとまっているのか?』
 『その構想は出来ている』
 二人が目を合わせる、顔を合わせてうなずき合った