パリヌルスの話を聞いて、オキテスは頭をかしげる、パリヌルスは話し続ける。
『お前の留守の間、半月、建造の場にいて、全体の作業ぶりを観察した。建造力に余裕のあることに気付いたというわけだ。これなら月産5艇はいけるということが解った次第だ。その建造5艇体制にすればどうなるかと考えたのだ』
パリヌルスはオキテスと目を合わせる。
『船台を5台にすれば、船台1台当たりの人員が72人になる。そこで月あたり1艇の建造の可否を考えた。1船台当たり60人体制ではおぼつかない1船台月産1艇が1船台当たり72人体制ならば少しばかりの余裕を持ってできることが解った』
『パリヌルス、どうしてそれが解るのだ?』
『船舶1艇の建造にかかる作業人員の仕事量を知ることによってわかるのだ。その木板に書いた数字を見てくれ』
オキテスは、木板にかかれた数字に目を落とす。
『現状の船台4台で月産4艇とした場合、稼働22日で4艇が建造できる。船台を6台として稼働した場合、6艇を建造するには33日がかかる。そこでだ、船台5台月産5艇とすると、5艇を完成させるのに28日で完成させることができることが解ったのだ』
『どうしてそれが解るのだ?俺にはとんと見当がつかんのだが』
『それを判別するには、少々細かい手数がかかる。その木板に記した1船台で1艇を仕上げるのにかかる作業員の述べ人員数1980人を1船台にかかる1日の作業人員数で割り算すれば建造の完成までの所要日数が算出されるということだ』
『何となくわかる。お前、よくそこまで考えてくれたな』
『オキテス、納得できたのか?』
『ここまでの説明で納得した』
『納得したら、船台を5台にして、建造をするかしないかを決断しろ!それが当面の急務だ』
『俺には、これを考えねばならない必要があったのだ。どう考えればいいか見当をつけることができなかった。それについて、パリヌルス、具体的に、誰が聞いてもわかるようにお前がやってくれた。感謝この上なしだ』
『現状で考えた場合には、受注及び引き合いの総艇数を建造するには5か月かかるのだぞ。そのうえ、受注分だけを考えても客を最長75日も待たせることになる。客が待ってくれるか否かだ』
『船台5台月産5艇になれば、客を待たせるのも45日となるわけか』
『引き渡し納入も都合よくできる。この仕事を遂行した集散所、浜頭連も、俺らがこれだけの船舶の注文にこたえることができるのかを疑問視していると考えられる。俺らの力の見せどころでもあるわけだ』
『解った。パリヌルス』
『テカリオンから聞いているのは、現在のクレタ島の造船力は低迷しているとのことだ。船の建造用材もクレタ島西部地区にあると言っている。東部地区の船の建造用材は枯渇状態であるといっている』
二人は顔を見合わせた。
『お前の留守の間、半月、建造の場にいて、全体の作業ぶりを観察した。建造力に余裕のあることに気付いたというわけだ。これなら月産5艇はいけるということが解った次第だ。その建造5艇体制にすればどうなるかと考えたのだ』
パリヌルスはオキテスと目を合わせる。
『船台を5台にすれば、船台1台当たりの人員が72人になる。そこで月あたり1艇の建造の可否を考えた。1船台当たり60人体制ではおぼつかない1船台月産1艇が1船台当たり72人体制ならば少しばかりの余裕を持ってできることが解った』
『パリヌルス、どうしてそれが解るのだ?』
『船舶1艇の建造にかかる作業人員の仕事量を知ることによってわかるのだ。その木板に書いた数字を見てくれ』
オキテスは、木板にかかれた数字に目を落とす。
『現状の船台4台で月産4艇とした場合、稼働22日で4艇が建造できる。船台を6台として稼働した場合、6艇を建造するには33日がかかる。そこでだ、船台5台月産5艇とすると、5艇を完成させるのに28日で完成させることができることが解ったのだ』
『どうしてそれが解るのだ?俺にはとんと見当がつかんのだが』
『それを判別するには、少々細かい手数がかかる。その木板に記した1船台で1艇を仕上げるのにかかる作業員の述べ人員数1980人を1船台にかかる1日の作業人員数で割り算すれば建造の完成までの所要日数が算出されるということだ』
『何となくわかる。お前、よくそこまで考えてくれたな』
『オキテス、納得できたのか?』
『ここまでの説明で納得した』
『納得したら、船台を5台にして、建造をするかしないかを決断しろ!それが当面の急務だ』
『俺には、これを考えねばならない必要があったのだ。どう考えればいいか見当をつけることができなかった。それについて、パリヌルス、具体的に、誰が聞いてもわかるようにお前がやってくれた。感謝この上なしだ』
『現状で考えた場合には、受注及び引き合いの総艇数を建造するには5か月かかるのだぞ。そのうえ、受注分だけを考えても客を最長75日も待たせることになる。客が待ってくれるか否かだ』
『船台5台月産5艇になれば、客を待たせるのも45日となるわけか』
『引き渡し納入も都合よくできる。この仕事を遂行した集散所、浜頭連も、俺らがこれだけの船舶の注文にこたえることができるのかを疑問視していると考えられる。俺らの力の見せどころでもあるわけだ』
『解った。パリヌルス』
『テカリオンから聞いているのは、現在のクレタ島の造船力は低迷しているとのことだ。船の建造用材もクレタ島西部地区にあると言っている。東部地区の船の建造用材は枯渇状態であるといっている』
二人は顔を見合わせた。