『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第8章  クレタ離脱  67

2019-07-16 05:28:51 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 パリヌルスとドックスと軍船改造の件の打ち合わせを終えたオキテスは、ダックスのいる戦闘艇の浜へ歩を運ぶ、明日から東行しての展示試乗会の件について打ち合わせる。
 オキテスには胸三寸に抱いている案件がある。
 その件を想いはかってダッカスに出航の準備を整えるように整備の指示をする。
 『ダックス、解ったな!今、言ったことを念頭において整備をしておいてほしい』
 『解りました』
 ダックスがオキテスから受けた指示は、通常の整備に比して特別とはいえない整備である。配慮が主なる整備である。
 ダックスは、オキテスの指示を充分に思いはかって整備をして準備を整える。
 オキテスは昼食をドックスのいる船台の場でする。
 ドックスと船台を担当している者らと新暦第一の月の建造計画をそれとなく話しておく必要がある。
 オキテスの建造の場で作業する者らに対する心的な配慮を含んでの昼食時を過ごす。
 彼が昼食を終える、会所へ向かう、会所にいるアエネアスとイリオネスも昼食を終えたところである。
 『統領、軍団長。明日から展示試乗会の催行に東行します、そのことについて打ち合わせに来ました』
 イリオネスがオキテスの言葉を受ける。
 『おう、オキテス、ごくろう。そう形式ばって固くならずともいい。昼を終えたのか?まあ~、腰をおろせ。お前の留守が10日にも及ぶ、明日からの件を打ち合わせておこう』
 『はい、ありがとうございます』
 アエネアスがオキテスに声をかけてくる。
 『おう、オキテス、よせよせ、そんなに固くなるな、話がしにくい、気楽にいこう』
 『解りました』
 腰を下ろすオキテス、声をかけるイリオネス。
 『まず、展示試乗会の日程について話してくれ』
 『まだ、この日程で行くと決めていません。できるだけ日程を要領よくこなして、早く帰りたいが本音です。それでですが』
 『おう、なんだ?何か思惑でもあるのか?』
 『はい、展示試乗会の期間中は、出来るだけいい天気に恵まれるように祈っています。航海日は、いい天気、いい風が希望です』
 オキテスは懸念にしている話をするのに逡巡している、イリオネスはその気配を感じとる。
 『おう、オキテス、何をとまどっているのだ、話さなければならない話があるのなら話せ!この期に及んでだな、ためらっている場合ではないだろうが』
 イリオネスがとまどっているオキテスの心を蹴りあげる、オキテスは、気がせくが話をどのように進めようかと話の段取りをする、話し始める。
 『まず日程を話します。第1日目は航海日としています。2日3日はレテムノンにおいて展示試乗会を開催します。4日目は航海日として、5日6日はマリア集散所で展示試乗会を催行します』
 オキテスは、日程を話しながら、懸案の話を思案しながら話していった。