『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  踏み出す  201

2011-11-04 08:41:27 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『お前、今日の集会は何の集会か聞いているのか』
 『いや、何も聞いていない。しかし、普通じゃないな。そんな雰囲気だ』
 『言われて見れば、そうだな。整列の仕方にまで指示が飛んでいる。今までになかったことだ』
 あちこちで、このような会話が交わされている。
 
 『パリヌルス、大体のところ揃ったようだな』
 オキテスが声をかけてきた。
 『よしっ、いいだろう。まだ集会に出てきていない者がいるかもしれん。誰かに調べさせよう』
 オキテスは声を上げて、アレテスとカイクスを呼び寄せた。
 『アレテス、お前は部下5人くらい引き連れて砦の中を見回ってきてくれ。居残っている者がいたら連れて来るのだ。いいな。カイクス、お前は3~4人引き連れて、浜のほうを見て来い。いま、アレテスに指示したように、即、連れて来るのだ。以上だ。二人とも急げ!』
 アレテス、カイクスの二人は、見回りに出かけた。
 時は過ぎていく、今様時間で12~13分ぐらいが経った。アレテスが戻ってきた。彼は二人、連れて戻ってきた。カイクスはというと八人も連れて戻ってきた。
 『おうっ、ご苦労。彼らを列に並ばせろ。お前たちは、皆のところにいてくれ』
 オキテスは、総員が揃ったことを確信して、パリヌルスに声をかけた。

第3章  踏み出す  200

2011-11-02 06:35:01 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『隊長っ!質問があります。いいですか。国の大事の発表は今日です。今日の今では、彼らの意思を問うのは、それは無理と言うものだと私は思いますが、どのように計らいましょうか』
 アンテウスがパリヌルスに問いかけた。
 『それについては、船出する前に、彼ら全員の意思を最終的に、イリオネス以下の幹部が確かめることになっている。他に質問はあるか』
 『はいっ!隊長。数とりのことですが、どのように作業を進めるか話してください』
 『そのことについては、作業に着手するまえに、オロンテスがお前たちに説明する。いいか』
 『判りました』
 『では、一同。砦の者たち全員を集めてくれ。俺はこの広場にいる、判らないことがあったら聞きに来い。以上だ』
 彼らは、一斉に作業に散った。

 砦の者たちが続々と集まり始めた。オキテスとオロンテスは、数とりの作業を念頭において、整列の指示を出していた。オロンテスは、でっかい木版を手にして指示を発していた。オキテスは、大声をあげて指示を出しながら、陣頭に立って列を整えた。
 彼ら二人は、男女を別に、年齢については、見た感じで40歳をめどに、そして、軍団の者と市民を区別して列を整えた。
 集まってきた者たちは、怪訝な表情で情況を見ながら、ひそひそ、がやがやと私語を交わした。

第3章  踏み出す  199

2011-11-01 08:00:09 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 西門前の広場には、会議を終えた者たちが顔をそろえた。
 『オロンテス、いよいよだな』
 パリヌルスが声をかけてくる。
 『いよいよですな。振り返ってみると、短いようだが、長かったようにも思えます』
 オロンテスっは、感慨深げに砦を見上げた。
 『お~お、アレテス、お前、来たか。おい、いよいよだぞ』
 『おい、アレテス、会議に出席した者たちを集めてくれ』
 『はい、判りました』
 返事をしたアレテスは、全員に声をかけた。少々の間もおかずに彼らは集合した。
 『集まりました。隊長』
 彼らは、パリヌルスを真ん中にして円陣を組んだ。
 『一同、揃ったな。各自、部下の者たちを動員して、砦の者たちをこの西門前の広場に集めるのだ。いいな。全員をだ、一人残さず、この広場に集めるのだ。君らもわかっているように、今日の集会は、重要な集会なのだ。集まったら、整列だ。整列は、一列25人、横に30列ぐらいで列を整えるのだ、判ったな。整列を終えたら、次は数とりだ。オロンテス、お前が担当責任者だ。一同を手伝わせて数をまとめてくれ。正確にだぞ。頼む。それが終わったら、統領から全員に向けて話がある。その次は、各自の意志確認を行う。行動を共にする者、はたまた、この地に残りたい者、その者たちの意思確認の作業をする。この段取りで作業を進める。判ったな。以上だ。即刻かかってくれ』
 パリヌルスは、言い残しが無いかを確かめて、指示をした。