あきオジの風景

写真、そして、俳句(もどき)
毎日更新しています。

ちょっと幸せ気分

2008-11-07 21:32:29 | 日記
仕事の帰りにブックオフに立ち寄った。

子どもの本のコーナーに

「ポケット詩集2」が並んでいた。

値札が150円

出版時の値段が1250円

早速値段だけで購入

まど・みちお

石垣りん

の詩が目に付いた。

そして、茨木のり子の

「倚りかからず」が含まれているのを

発見

最近、一番のお気に入りの詩

電車の中でぶつぶつ言いながら読む。

ちょっと幸せ気分

ご馳走様でした。

・・・・・・・・・・・・・

          茨木のり子

もはや

できあいの思想には倚りかかりたくない

もはや

できあいの宗教には倚りかかりたくない

もはや

できあいの学問には倚りかかりたくない

もはや

いかなる権威にも倚りかかりたくない

ながく生きて

心底学んだのはそれぐらい

自分の耳目

自分の二本足のみで立っていて

なに不都合なことがある

倚りかかるとすれば

それは

椅子の背もたれだけ

「ドッグ・バイト・ドッグ」

2008-11-07 18:22:24 | 日記
中国映画です。

主演は元アイドルとのこと

中国映画も暴力的になってきた

警察官と殺人マシーンとなった男との戦い

そこに親子とかスラムで知り合った女性が絡む。

いわゆる美人でかっこよい女性は登場しない。

人を安易に殺し、そこに司法が介入しない

無法地帯を舞台にした映画

脚本に無理があり

アクションも薄汚いビル

西行廃棄物の処理場

そして、汚れた車だけ

アメリカ映画のカーアクション場面がたっぷり

だから、映画の中に詩情を求めるのは無理

薄汚く、非情だけを強調した映画

「デパーテッド」と同系列のつまらない映画

つまらないことが分かっただけでも見た価値がある。

・・・・・・・・・・・・・・

お口直しに

吉野弘の詩を引用します。

この詩、ときどき結婚式場に準備してありますね。


「祝婚歌」

二人が
睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと
気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することになっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
立派でありたいとか
正しくありたいとか
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

・・・・・・・・・・・・・・

これもかっこよすぎるかな。

「祝婚歌」


二人が
睦まじくいることなど考えないほうがいい
愚かであるこことが地になるように努力する
立派すぎないほうがいい
いや、立派なことなどどこにもないのだ
長持ちなど考えない
それが人間の本来の姿だと
気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
いや、ないものを求めるなど愚かなことだ
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
でも、そんな器用なことなどできはしないと覚悟する。
互いに非難することになっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい
当然のことだが正義は自分の中にしかない
同じ正義は相手の中には存在しない。
正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい
いや、誰もが共有できる正しさなどどこにも存在しない。
立派でありたいとか
正しくありたいとか
無理な緊張には
色目を使わず
ゆったり ゆたかに
光を浴びているほうがいい
ないものを求めないことだ。
健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか
黙っていても
二人にはわかるのであってほしい
いや、それもあるが
そんなことはありえないことだと
お互いがどこかでわかっているほうがいい

なんて考えたりもする。

でも、どうでもいいことですね。

与えられるものは役に立たないものです。

「太平洋ひとりぼっち」

2008-11-07 14:14:53 | 日記
「太平洋ひとりぼっち」(市川昆監督・石原裕次郎主演)

堀江謙一青年の太平洋横断記録

「太平洋ひとりぼっち」の映画化

このタイトルが素晴らしい。

これだけで芭蕉を越えた(大げさかな)

「咳してもひとり」より壮快だ。

石原裕次郎が演技しているかどうかわからないが

無謀な青年を演じるには彼しかなかっただろう。

市川監督も楽しそうに演出しているし

映像も凝っている。

楽しい映画だ。

それにしても、この映画

田舎町の便所の臭いとタバコのにおいが溢れた

映画館で立ち見で見た記憶がある。

でも、映画はその場の懐かしさとは違った

夢の世界だった。

今は茶の間で日常の中に紛れ込んでいる。