三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

借りたら返せ

2006年04月21日 08時51分47秒 | 教育 
《 「それを言っちゃあ、おしまいよ」ととがめられそうなことほど、言いたくなる。
借金は返さなくてもなんとかなる、という根っこをつくったのは銀行や政府である。80年代初め、中南米向けなどの融資の回収をあきらめたのが始まりだった。そして、90年代以降、銀行や商社などの子会社だったノンバンクの経営が傾き始め、タガが緩んでいく。
親会社はノンバンク向け融資を棒引きにするなどしたが、焼け石に水。体力のない農林系金融のために6850億円使った「住専問題」では、ついに国が民間の借金を肩代わりした。やがて銀行自体も危機に陥ったり、破たんしたり借金(預金)を返せなくなって、次々に国にすがった。
そんな政府も、地方と一緒に借金をふくらませ、ついに約770兆円。なのに、明確な返済のあてがない。
この状況に憤る国民も「そのうちに返せるだろう」と金を借りて一部は「多重債務者」と呼ばれ、若い世代には奨学金返還を滞納するものが少なくない。
グレーゾーン金利も、違法な取り立てもたしかに問題である。だが、1社で年間1000億円を越える経常利益を上げさせ、「ご利用は計画的に」と説教される状況にこそ問題ありだ。「字が小さくて見えにくい」なんて、どうでもよろしい。消費者金融業界を規制でしばる前に、業界に大きな顔をさせず、その上手を行く必要がある。
つまり、「借りた金は返せ、返せないなら借りるな」である。そんな当たり前が揺らぎ口にしずらいことが、実は一番おかしいのだ。 》

例によって『毎日新聞』 コラム「発信箱」からです。
今日の筆者は 、中村秀明経済部記者。

我々の預金金利は0.001%。ここからも税金は取られる。その金を銀行は4%位で消費者金融業者に貸す。消費者金融は、上限で29.2%(建前上)までの高利で庶民に貸す。そしてチワワを買う。

あまりに阿漕にできている世の中だ。