三流読書人

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ドングリ小屋住人 

売り家と唐様で書く三代目

2006年10月05日 06時18分04秒 | 嫌安倍流

『毎日新聞』10月3日「経済観測」から

【 古川柳には、うがった名作がある。「売り家と唐様で書く三代目」など、それだ。
 説明は要るまいが、資産家の二代目は以外とつつましい。創業者、父の苦労はある程度実感している。その結果の財産は、アダやおろそかには使えない。先代からの大番頭小番頭が残っていて、「お家大事」とブレーキをかける。徳川家で言えば秀忠、守成の人だ。
 これが三代目になると、生まれながらのお坊ちゃまである。銀のサジをくわえている。ノビノビしていて、「お父様よりおじい様似だ」と周囲からオダてられる。
 学校だって慶応とか成蹊とか、関西の甲南とか、ブランドのエスカレーター校だ。受験勉強のコセコセした試練とは無関係に育つ。天衣無縫と言えば聞こえは良いが、無菌の世間知らずだ。
 ベンチャービジネスの起業家は二代目、三代目が多い。資本主義の世界では、まるっきりのビンボー人は誰も相手にしてくれない。ビル・ゲイツも孫正義も,ソコソコの家庭で育っている。
 ベンチャーはアドベンチャー(冒険)と同義語だからビビっていてはできない。数少ない成功者の陰には、家産をスッた無数の三代目がいる。家産処分の張り紙を書くのだが、育ちが良く教養があるから書体がアカデミックじゃないか。
 前説が長くなった。安倍新政権誕生である。近衛、細川とは違った日本人好みの貴種、三代目である。昭和の怪物岸信介を祖父に、「安・竹・小」(あん・ちく・しょう)と呼ばれたが宰相はウナギのにおいに終わった父晋太郎を受け、具体的な政見、政策を述べないままに60%強の高支持率を得た三代目。株価が安いのは妙な達筆をふるいそうな予感が。(三連星) 】

とまあ、これもかなりうがったコラムではある。
唐様ではなく米様とでもいうか、この三代目。
小泉政権の時代からすでに「売り家」の張り紙を張っている様な気がするが。
国を売り飛ばされる国民はたまったものではない。
昔から売国奴という言葉はある。