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三流読書人

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ドングリ小屋住人 

国を裁く 司法とは何か

2006年10月17日 08時56分01秒 | 政治 

 今朝(10月17日)の『毎日新聞』経済欄のコラム「経済観測」にすごいことが書いてありました。大勢の人に読んでほしいと思ったので紹介します。
 タイトルは「最高裁やあい」

【 最高裁が身近に感じられた時代があった。幻想だったのかもしれないが。  
 1951(昭和26)年、山口県で老夫婦の惨殺、世に言う「八海事件」が起きた。この事件、裁判をかなり忠実にモデルにして映画「真昼の暗黒」がつくられる。題名通り暗黒裁判である。
 新しい刑事訴訟法になじんでいなかったのか、検察のフレームアップ(でっち上げ)が通り、1審2審とも被告4人は有罪判決だ。
  絶望的なラストシーンに被告が絶叫する。「まだ最高裁がある!」      
 悲痛であった。地裁、高裁と無実の罪をおわされても、どこかで真実はわかる。司法に対する痛々しい信頼だ。  
 結論を言えば68(昭和43)年、最高裁は被告4人に無罪を言いわたす。歳月は長いが耐えた価値はあった。
 「最高裁がある」。それは意識するとしないにかかわらず戦後日本人の心の支えであった。憲法は平和憲法と呼ばれるように第9条戦争放棄がエッセンスだ。敗戦で打ちのめされた国民のロマンチシズムである。だが冷戦激化、朝鮮戦争、環境の激変とともに初心は大揺れに揺れた。
 警察予備隊から自衛隊。軍艦、戦車、ミサイルを持っていつまで自衛のワクにとどまれるのか。その危惧(きぐ)に対して、憲法の番人、最高裁がブレーキをかけるだろうと思っていた。事実はごぞんじの通り。防衛予算(軍事費となぜ言わぬ)、日米安保に憲法違反を唱えた判事がいるか。
 F・D・ルーズベルトの2期目、48州の選挙人を42州取り、上下院とも民主党絶対多数、まさに「神にひとしい」権力を持った大統領に水を掛けたのが最高裁のニューディール違憲判決であった。「老人の石頭」と非難をあびたが米国がナチスと一線を画したのはそのおかげ。(三連星) 】

 国の政策をも裁くのが司法です。その判断の根拠は日本国憲法です。先日の日の丸・君が代強制は違憲とした判断は、画期的でありました。しかし、上級審にいくにしたがい、国の行政に迎合する傾向がみえるのが今日の司法の姿勢である様な気がして心配です。最高裁までこの判断が貫かれることを願っています。
 国民の最後のよりどころが最高裁です。