伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

いわき医療介護学校よつくら塾

2019年05月30日 | 市議会
 「よつくら塾」は、市民が健康管理の重要性を学び、地域の支えあいに関心を持ち、いわき市の医療・介護の資源が少ない状況を市民が認識し、住民自身が医療・介護を支えていく資源となることなどを、医療・介護にかかわる多職種の方の講話等を通じて学ぶことを目的に開かれており、今回で3回目の開塾となった。

 第1期の2017年度は、35名の塾生が、健康づくりと医療に関する講話や体力測定、栄養に関すること等11講座を学び、第2期の18年度は塾生39名が認知症をテーマに医療・介護や栄養、薬について6講座で学んでいる。第3期となる19年度は32名の塾生がアンチエイジング(老化防ぐ)をテーマに新たに歯科講座も含めて6講座を学ぶことになっている。

 開校式に続いた木村先生の講話は、テーマを「老化に抗(あがら)うために必要な知識と地域づくり」とし、長生きするための食事や運動、生活習慣の心構え、検診・がん検診受診の重要性を説いた。また、在宅医療のあり方や地域での支えあいの大切さといわき市の医療の現状を説明した。受講者は年配の、圧倒的に女性が多かったが、熱心に講話に耳を傾けていた。


 塾終了後、木村先生に委員会との意見交換の時間をとっていただいた。

 私は3点ほど聞いた。

 1つは塾の効果について。先生は、(1)初めて参加する勤務医がこういう活動は非常に大切ですねと言ってくれる、(2)一人暮らしの高齢者が困った時に食事を提供しあうなど支え合いが生まれ、住民間の介護に関する情報交換が生まれている、などを上げた。

 さらに、地域包括ケアネットワークづくりは、高齢者を見るだけでなく子どもを見守るネットワークともなり、これができれば他の局面にも対応でき、地域の存続にかかわる可能性があると考えていることなどを紹介し、「今、がんばってこれをやることが一番大事と思う」と話した。

 勤務医の感想を聞いて、医療と介護を支える地域づくりに参加する医師を増やしたり、また、このいわき市で医療活動を進める医師のモチベーションを高める効果を生んでいるのではないかと思った。


 2つは市内に取り組みを広げる課題。先生は、「基本的には非常にマンパワーが厳しい」と語った。その中で、もともと介護を中心とした地域の連携があるということを知った。具体的な内容は、何かの機会に調べたい。今後は、医療や介護等にかかわる職種に参加してもらう在宅医療多職種連携の参加のすそ野を広げて、そこに医師の参加を得て在宅医療につなげていく活動になると思うと話していた。

 一方、市内ではそれぞれの地域のやり方による取り組みがされているとも話された。


 3つ目には行政のかかわり。先生は、医師会と行政の連携の状況は良いとして、今後、連携の中で、検診・ガン検診の受診率を向上させることや、特にいわきの状況を良くしていくために、労働している世代である若い世代に健康等についてどうアプローチしてい行くのかが課題になると考えていることを説明した。


 先生のお話からは、医療と介護の人材不足となっている本市で、地域医療と介護を充実していくためには、住民の参加が欠かせないことが明確となっており、そのために必要な取り組みは「よつくら塾」の取り組みで明確になっているということが伝わってくる。そこで、先生が紹介していた市内各地域の取り組みの現状がどうなっているのかが気にかかる。その点も把握していくことが必要なんだろうと思った。

 木村先生にはお忙しい中、時間をとっていただいたことに感謝したい。


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